フォン・ヴィレブランド病の場合、主にどのような治療をしますか？

出血時の止血治療や出血予防を行うことを目的に、低下した フォン・ヴィレブランド因子（VWF）や第Ⅷ因子（VWFと同様に血液を固める役割を持つ血液の成分）を補うための薬物治療を行います。
現在、治療薬として次の3種類があり、いずれも静脈注射です。患者さんのタイプや状態を考慮して使い分けられます。

酢酸デスモプレシン（l-deamino-8-D-arginine vasopressin： DDAVP）

体内にあるVWFと第Ⅷ因子の放出を促進し、その濃度を増加させます。出血が起こった場合や手術前の処置に使用されます。

ヒト血漿由来 VWF 含有第 Ⅷ因子製剤（pdVWF/FVIII 製剤）

重度の場合や酢酸デスモプレシンの効果がみられない場合には、VWFと第Ⅷ因子を含む血液製剤を投与します。出血が起こった場合や、手術などの前に使用されます。

遺伝子組換え VWF 製剤（rVWF 製剤）

遺伝子組換え技術を用いて作られたrVWF製剤は人工的に生成したVWFを投与し、VWFを補います。

上記の他、支持療法としてトラネキサム酸や血小板輸血が行われることがあります。