副鼻腔がんの各ステージまたは再発がんでは、それぞれどのような治療法がありますか?
手術、放射線治療、化学療法を組み合わせて治療を行います。
副鼻腔がんの約7割が頬にできる上顎洞癌です。上顎洞癌の治療では手術、放射線治療、化学療法を組み合わせて行われます。
治療のバリエーションはさまざまで施設や患者さんの状況によって治療方法は異なります。
ここでは治療方針のひとつを大まかに説明します。
早期上顎洞癌(ステージ1、 2)の場合
手術
腫瘍の進展範囲に合わせて上顎を切除する、上顎部分切除や上顎全摘が行われます。上顎を切除すると口と鼻が通ります。そのため、それを遮断する目的でプロテーゼと呼ばれる装具を用いたり、太ももやお腹の組織を用いて再建したりする必要があります。手術の後に放射線治療を加えることもあります。
進行上顎洞癌(ステージ3、 4)の場合
化学放射線療法
抗がん剤と放射線を組み合わせた治療方法です。抗がん剤の投与方法には一般的な点滴で行う方法と、カテーテル(体内に挿入して使う、検査や治療などを行うための細い管)を用いて腫瘍を栄養している顎の動脈に直接抗がん剤を投与する方法(動注化学療法)があります。治療後に腫瘍が残存している場合には手術を行うこともあります。
手術
腫瘍の進展範囲に合わせて、上顎部分切除や上顎全摘、上顎拡大全摘、頭蓋底手術などが行われます。欠損部分に対しては再建手術が行われます。首のリンパ節に転移がある場合、首のリンパ節を掃除する手術(頸部郭清術)が行われます。手術の前や後に化学療法や放射線治療を組み合わせることもあります。
再発または転移している場合
手術
再発または転移している病巣が切除可能であればその部位の手術を行います。
がん薬物療法
これまでどのような治療をしてきているか、治療に用いる薬とがんとの相性などを考慮し、使用する薬を決定します。特に免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれるペムブロリズマブ(キイトルーダⓇ︎)やニボルマブ(オプジーボⓇ︎)、抗EGFR抗体薬であるセツキシマブ(アービタックスⓇ︎)などが治療の中心となることが多いです。
公開日:
最終更新日:
真生会富山病院 耳鼻咽喉科
阿河 光治 監修
(参考文献)
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