隆起性皮膚線維肉腫を放置するとどうなりますか?
隆起性皮膚線維肉腫を放置すると腫瘍が進行し、再発・転移・死亡のリスクが高まります。
起性皮膚線維肉腫(DFSP)は、比較的まれな皮膚軟部腫瘍であり、緩やかな増殖を示すことが多い一方で、局所再発しやすいという特性があります。
2019年に報告された357例のDFSP術後5年間の追跡研究では、遠隔転移をきたした4名中2名が死亡しており、全体の生存率は99.4%、死亡率は0.6%とされています。
このことから、DFSPは一般に予後良好な腫瘍とされています。
しかし、全DFSPの約10~20%を占める「線維肉腫様変化(fibrosarcomatous change)」を伴う亜型(FS-DFSP)は、より悪性度が高く、再発率や転移率が著しく上昇します。
FS-DFSPでは、再発率は約30%、遠隔転移および死亡率は約15%と報告されており、通常型DFSPに比べて明らかに予後が悪化します。
また、局所再発までの期間も数年から数十年と幅があり、長期的な経過観察が必要です。
したがって、DFSPを放置すれば、腫瘍の増大やFS-DFSPへの進展を招く可能性があり、転移や死亡のリスクも無視できません。
早めに外科的切除を行い、病理診断によりリスク評価を行うことが極めて重要です。
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
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