乾癬は一般的にどのような薬を使って治療しますか? 副作用はありますか?
ビタミンD3の入った塗り薬や、ビタミンA誘導体などの飲み薬を使用します。副作用は薬によってそれぞれ異なります。
乾癬の治療薬の種類
乾癬の治療では、症状の程度に合わせて段階的に薬を選択していきます。軽症の場合は塗り薬(外用薬)が中心となり、塗り薬だけでは十分な効果が得られない中等症から重症の場合は、飲み薬(内服薬)や光線療法を追加します。さらに効果が不十分な場合には、生物学的製剤(注射薬)が検討されます。
乾癬の外用薬(塗り薬)と副作用
乾癬の外用薬には、主にステロイド外用薬と活性型ビタミンD3外用薬があります。近年では、この2つを配合した外用薬が第一選択薬として推奨されています。
- ステロイド外用薬:炎症を抑える効果が速やかに現れますが、長期間使い続けると皮膚が薄くなって(皮膚萎縮)毛細血管が目立つ、毛深くなるなどの副作用が生じることがあります。
- 活性型ビタミンD3外用薬:皮膚の細胞が過剰に増えるのを抑える作用があります。皮膚への刺激感は比較的少ないですが、一時的に皮膚が赤くなったり、まれに血液中のカルシウム値が高くなることがあります。
乾癬の内服薬(飲み薬)と副作用
塗り薬だけでは効果が不十分な場合や、皮疹(ひしん)の範囲が広い場合に、飲み薬が追加されます。主な内服薬は以下のとおりです。
- シクロスポリン(免疫抑制薬):免疫の過剰な働きを抑えます。副作用として腎機能障害や高血圧に注意が必要なため、乾癬に対しては近年あまり使われません。
- エトレチナート(ビタミンA誘導体):皮膚の細胞の増殖を調整します。唇や皮膚の乾燥が生じやすく、妊娠中の方は使用できません。
- メトトレキサート(免疫抑制薬):免疫を抑える作用があり、肝機能障害や血球減少等の副作用に注意が必要です。こちらも妊娠中の方は使用できません。
- アプレミラスト(PDE4阻害薬):炎症に関わる物質を調節します。吐き気や下痢などの消化器症状が出ることがあります。
- デュークラバシチニブ(TYK2阻害薬):後述の生物学的製剤と同様、炎症を引き起こす特定の物質の働きを抑える飲み薬です。他の内服薬に比べると治療効果は期待しやすいですが、高価であり、使用前に結核やウイルス等、感染症の検査が必要です。
乾癬の生物学的製剤(注射薬)とは
従来の治療で十分な効果が得られない中等症から重症の乾癬に対して、生物学的製剤が用いられます。炎症を引き起こす特定の物質(TNF・IL-17・IL-23など)の働きを抑える注射薬です。高い治療効果が期待できる一方、高価であり、免疫を抑える作用があるため、使用前に結核や肝炎ウイルスの検査が必要です。
乾癬の治療で気をつけること
乾癬は慢性の病気であるため、長期にわたって治療を続けることが大切です。薬の効果や副作用の現れ方は人それぞれ異なるため、定期的な通院と検査で状態を確認しながら治療を進めていきます。症状の変化や気になることがあれば、早めに医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
日本皮膚科学会.“Q9 具体的にはどんな治療になりますか?”.皮膚科Q&A.https://qa.dermatol.or.jp/qa14/q09.html,(参照 2026-07-23).
江藤 隆史ほか. 尋常性乾癬治療におけるステロイドと活性型ビタミンD3の配合外用薬の有用性. 日皮会誌. 2018, 128, 1945-1956.
難病情報センター .“膿疱性乾癬(汎発型)(指定難病37)病気の解説”..https://www.nanbyou.or.jp/entry/168,(参照 2026-07-23).
日本皮膚科学会乾癬分子標的薬安全性検討委員会.“乾癬における生物学的製剤の使用ガイダンス(2022年版)”.日本皮膚科学会ガイドライン.https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/kansen2022.pdf,(参照 2026-07-23).
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大阪府済生会泉尾病院 皮膚科
野村 祐輝 監修
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