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アルコール依存症に特徴的な顔つきや目つきはありますか?
精神科・心療内科
日下 慶子 監修
特徴的な顔つきは特にありません。
アルコール依存症に特徴的な顔つきや目つきはありません。
肝臓が悪くなることで黄疸になり、顔が黄色くみえるなどはありますが、アルコール依存症自体に特徴的な顔つきはありません。
母親の飲酒で胎児がアルコールに暴露された場合、特徴のある顔つきを呈することがあります。
父はアルコール依存症なのでしょうか?
父のことについて相談させてください。父はほぼ毎日焼酎を飲み、タバコも吸っています。昔から、自分の思い通りにならないとすぐに怒り、物を投げたり暴力的な行動を取ることがありました。 最近、普通の会話をしているつもりが、父はバカにされたと思い込み、大声で怒鳴り始めました。この時はお酒を飲んでいなかったのですが、急に目つきが変わり、ギラギラさせて怒鳴りました。こちらが反論すると、物が飛んできたりするので、何も言えません。 父が言うには、ちょっとしたことでイライラし、人を傷つけたくなるくらいの怒りを感じるそうです。お酒を飲んでいる時も飲んでいない時も、父がイライラしているのがわかります。わざと怒らせようとしているのではないかと思うくらい、絡んできます。 父には精神的に何か問題があるのでしょうか。どうすれば良いのか、アドバイスをいただけると助かります。
50代 / 男性
お父様の状況についてご心配のことと思います。お話を伺う限り、お父様の行動や感情の変化は、アルコール依存症だけでなく、他の精神的な問題も考えられるかもしれません。以下の点について考えてみます。
アルコール依存症の可能性
アルコール依存症は、以下のような症状が典型的です。
- 飲酒の量や頻度が増える
- いつも手元にお酒がないと不安になる
- 飲酒によって日常生活に支障が出る(飲んではいけない場面でも飲んでしまう)
- 飲酒をしないとイライラや不安が強くなる
お父様が毎日焼酎を2本飲むというのは、かなりの量ですので、アルコール依存症である可能性は十分にありえると思われます。(一般的に焼酎で言えば毎日300ml飲むと「飲み過ぎ」であり、アルコール依存症のリスクが高まると言われています)
アルコールの影響
アルコールは依存、つまりアルコールがないと生活できないような状態になってしまうことも問題ですが、大量のアルコールを摂取し続けることで、様々な精神的な不調の原因になります。質問の中で「お酒を飲んでも飲まなくてもイライラしているのがわかります」とあるので、もしかしたらアルコールによって持続的な精神への影響が生じているかもしれません。例えば、下記のようなものがあります。
アルコール誘発性の気分障害(うつ、躁): アルコールの影響により、気分が不安定になり、怒りやすくなることがあります。
アルコール誘発性の精神病: 長期・大量のアルコール摂取によって、被害妄想や幻覚などの精神病的症状が現れることがあります。
これらを和らげるためには、やはり断酒が必要になってきます。また、必要に応じて精神科の薬剤などが併用されることがあります。
その他の精神的な問題の可能性
お父様の行動や感情の変化は、アルコール依存症以外の精神的な問題も考えられます。アルコールが先か、精神的な不調が先かの判断は非常に難しいと思われますが、中には、精神的な不調をまぎらわせるためにアルコールを摂取している場合もあります。いずれにしても、精神科・心療内科の専門科に相談することが重要です。
受診の動機づけ
とはいえ、アルコール依存症の方に精神科・心療内科を受診していただくことは通常非常に難しいことであると思います。ただ、「ちょっとしたことでイライラし、人を傷つけたくなるくらいの怒りを感じる」とお父様が言っていたことを踏まえ、「そのイライラした気持ちを抑えられる治療があるかもしれない」と受診を促すなど、本人が問題と感じている部分をきっかけにするとよいかもしれません。
もし受診される場合は、精神科・心療内科でも、アルコール依存が治療可能であると標榜していたり、アルコール依存に対する心理療法などを提供しているクリニックがおすすめです。近年アルコール依存の新しい治療も搭乗しており、よくご相談されるとよいと思います。
まとめ
お父様の行動や感情の変化は、アルコール依存症だけでなく、他の精神的な問題も考えられます。精神科・心療内科の専門の医師に相談することが重要です。お近くの精神科や心療内科は、こちらから検索できますのでご活用ください。
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