悪性神経膠腫の各ステージまたは再発がんでは、それぞれどのような治療法がありますか?
グレードに応じて異なり、手術後に放射線治療や薬物療法が推奨されます。ウイルス療法も新たに承認されています。
脳腫瘍には、他のがんのようなTNM分類やステージ分類がありません。代わりに悪性度の指標である「グレード」が使われ、1から4の数字で分類されています。グレード3およびグレード4の神経膠腫が悪性神経膠腫として扱われています。
神経膠腫は、大きく乏突起膠腫、星細胞腫および膠芽腫に分類されます。
2021年WHO分類ではグレード3の神経膠腫は、
- 乏突起膠腫グレード3
- 星細胞腫グレード3
が該当します。
乏突起膠腫は星細胞腫に比べて悪性度が低く、薬物療法の効果が得られやすいとされます。
グレード4の神経膠腫は、
- 星細胞腫グレード4
- 膠芽腫グレード4
が該当します。
神経膠腫においては組織型、グレードを問わず、手術摘出率や残存腫瘍体積が余命と相関しますので、さまざまな手術支援技術を駆使して最小限の手術合併症で最大限の摘出をする努力がなされます。
腫瘍摘出後の推奨される治療法は以下のとおりです。
- 乏突起膠腫グレード3:PAV療法(プロカルバルジン、ニムスチン、ビンクリスチン)+放射線治療
- 星細胞腫グレード3、 4、 膠芽腫:放射線治療+テモゾロミド(TMZ)
2021年、放射線治療とテモゾロミドの治療歴を有する悪性神経膠腫を対象として遺伝子組換え単純ヘルペスウイルスによるウイルス療法が保険承認されています。
定位脳手術により、脳腫瘍内にウイルス製剤を最大6回まで投与します。現在指定施設においてのみ実施可能です。
公開日:
最終更新日:
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
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