腫瘍マーカーProGRPとはなんですか?
小細胞肺がんの腫瘍マーカーです。診断の補助や治療効果のモニタリングに使用されます。
ProGRPは「ガストリン放出ペプチド前駆体」というたんぱく質の略称であり、肺がんの腫瘍マーカーとして用いられます。
肺がんの中でも、「小細胞がん」という種類のがんをもつ患者さんの血液ではProGRPが増加しており、ProGRPの値の変化は、がんの病期(ステージ)や治療効果と関連があることも示されています。
ただし、ProGRPの値が高値(陽性)だからといって必ずしもがんがあるわけではありませんし、逆に基準値範囲内(陰性)だからといってがんがないと言い切れるものではありません。小細胞肺がんの患者さんのうちProGRPが陽性となる割合(検出感度)は、報告にもよりますが45%程度です。
肺がんにおいて、ProGRPなどの腫瘍マーカーは、単独でがんを検出するには不向きで、あくまで診断や治療効果のモニタリングの補助の目的で測定することがガイドラインで勧められています。がんの診断や治療の要否などは、その他の検査も併せて医師が総合的に判断します。
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最終更新日:
京都大学医学部附属病院呼吸器内科 呼吸器内科
渡邉 アヤ 監修
(参考文献)
日本肺癌学会.“第1部.肺癌診療ガイドライン 2022年版”.日本肺癌学会.https://www.haigan.gr.jp/guideline/2022/1/1/220101010100.html,(参照 2024-07-30).
国立がん研究センター.“腫瘍マーカー検査とは”.がん情報サービス.https://ganjoho.jp/public/dia_tre/inspection/marker.html,(参照 2024-07-30).
シスメックス株式会社.“イムチェック・F-ProGRP”.医薬品機器総合機構.https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/ivdDetail/ResultDataSetPDF/480585_20800AMZ10096000_B_01_01,(参照 2024-07-30).
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