IBS診断済みですが、食事で避けるべきものを教えてください。
40代・男性のご相談
ご相談いただきありがとうございます。過敏性腸症候群(IBS)と診断されているのに、お腹がゴロゴロ鳴ったり、ガスが溜まったり、下痢をしたりする症状が続いているとのこと、おつらいですね。どんな食べ物が合わないのか知りたいというお気持ちもよくわかります。
IBSは、大腸の検査で異常が見つからないのに、腹痛やお腹の不快感を伴う便秘や下痢を繰り返す病気です。症状は人それぞれで、下痢が多い方、便秘が多い方、下痢と便秘を交互に繰り返す方など様々です。また、お腹がゴロゴロ鳴ったり、ガスが溜まったりすることもよくあります。
IBSの原因ははっきりしていませんが、アレルギーが関係しているという説もあります。普段の食事を気にかけて、症状が強くなるときに特定の食品を摂っていないか確認することが役立つかもしれません。もし特定の食品がある場合は、それを避けることが大切です。
また、低FODMAP食を意識することも効果的です。FODMAPとは、消化しにくい糖質のことで、これを摂ると腸内でガスが発生しやすくなり、お腹の張りや痛み、下痢を引き起こすことがあります。IBSの方は、これらの症状が悪化することがあります。
【FODMAPが低い食品】
- 果物:バナナ、ブルーベリー、オレンジ、ブドウ、キウイなど
- 野菜:ほうれん草、レタス、トマト、ナス、キュウリなど
- 穀物:米、オートミール、トウモロコシなど
- 乳製品:乳糖を除去した牛乳、ヨーグルト、チーズなど
- 甘味料:砂糖、メープルシロップ、ステビアなど
【FODMAPが高い食品】
- 果物:リンゴ、マンゴー、スイカ、ナシ、桃、ドライフルーツなど
- 野菜:玉ねぎ、ニンニク、アスパラガス、ブロッコリー、カリフラワーなど
- 穀物:小麦、ライ麦、大麦など
- 乳製品:牛乳、ヨーグルト、チーズなど
- 甘味料:ハチミツ、果糖ぶどう糖液糖、高果糖コーンシロップなど
FODMAPが高い食品を避け、低い食品を選ぶように心がけると良いかもしれません。
現在服用しているお薬は、IBSの症状を和らげるためのものです。もし薬を飲んでも症状が改善しない場合は、医師に相談して、薬の種類や量を見直すことが必要かもしれません。また、ストレスや生活習慣の改善も大切です。
【IBS以外の病気の可能性】
IBSは他の病気がないことを確認した上で診断されます。血液検査や便検査で炎症がないか、あるいは大腸の検査で他の病気がないかを確認します。特に、血便や体重減少、発熱、貧血などの症状がある場合は、他の病気が隠れている可能性もあるため、医師に相談することが重要です。
【受診の目安】
- 症状がひどい、または悪化する場合
- 38度以上の発熱が続く場合
- 血便や黒い便が出る場合
- 体重が減少する場合
これらの症状がある場合は、IBS以外の病気が隠れている可能性もあるため、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
【まとめ】
IBSの症状でお困りの場合は、食事日記をつけて、症状を悪化させる食品を特定し、控えるようにしましょう。現在の薬が効かない場合は、医師に相談して薬の見直しを考えてみてください。また、ストレスや生活習慣の改善も大切です。IBS以外の病気が隠れている可能性も考慮し、特に血便や体重減少、発熱などの症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。あなたの健康が少しでも良くなるよう、心から願っています。
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