肩腱板断裂と診断されました。手術が必要か教えてください。
40代・男性のご相談
右肩の腱板断裂と診断され、手術を受けるべきか悩んでいらっしゃるのですね。初めてのことですし、迷われるのは当然のことです。どうかご安心くださいね。
腱板断裂というのは、肩を動かすために大切な筋肉が集まった部分が傷ついてしまう状態です。損傷の程度によって、部分的に切れている場合や完全に切れている場合があります。完全に切れている場合は、その大きさによってさらに分類されます。どの程度損傷しているかによって、手術が必要かどうかが変わってきます。
若い方の場合、スポーツや転倒などで急に腕に負担がかかることで腱板が傷つくことが多いです。一方で、年齢を重ねると特に怪我をしなくても腱板が傷つくことがあります。これは、年齢とともに腱板が弱くなりやすいからです。
【手術について】
一般的には関節鏡を使った手術が行われています。ほとんどの場合、全身麻酔で行われます。手術は肩に小さな切り口を数か所作り、そこからカメラや器具を入れて行います。体への負担が少ないのが特徴です。特別な糸で腱板の穴をふさぎ、骨から剥がれた腱板を縫い付けます。手術時間は通常1~2時間ほどです。
腱板断裂は必ずしも手術が必要なわけではありません。特に年齢を重ねた方では、腱板が切れていても痛みを感じないこともあります。一方で、若い方が怪我やスポーツで腱板を傷つけた場合、肩の機能が落ちる可能性があるため、手術を勧められることもあります。断裂の大きさや場所、症状の程度、日常生活やスポーツ活動などを総合的に考える必要があります。
手術には、感染症や神経の損傷などのリスクがあります。また、手術後のリハビリがとても重要です。通常、1~2か月間は肩を固定する装具が必要で、3か月ほどかけてリハビリを進めます。リハビリがうまくいかないと、再び腱板が切れてしまうこともあります。
【手術をしない場合】
リハビリや薬、注射などで治療を行います。手術が必ずしも必要ではなく、保存療法で改善することもあります。
手術をするかどうかは、医師とよく相談し、ご自身の状況や希望に合った治療法を選ぶことが大切です。どんな選択をされても、しっかりサポートしますので、安心して進んでくださいね。
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