顎下腺がんの可能性と対処法について教えてください。
0代・男性のご相談
子ども(幼児)の顎下腺がんの可能性について心配しています。現在、特に治療中の病気はなく、アレルギーがあります。顎の下が徐々に腫れてきて、会話や食事が困難になり、痛みを伴っていました。個人病院から市立病院に紹介され、MRIを撮影し、耳鼻科から口腔外科に回されました。リンパ節腫やガマ腫の可能性があると言われ、注射で腫れた部分を吸引しましたが、唾液ではなく血液のようなものが出ました。
その後、手術で細胞を採取し検査する予定でしたが、腫れが引いたため手術は行いませんでした。現在、腫れはなく様子を見ていますが、右顎骨下に1センチほどのしこりがあり、痛みはないものの再び腫れるのではないかと心配です。どのように対処すればよいか、アドバイスをいただけると助かります。
このたびは私たちを信頼してご相談いただき、心から感謝申し上げます。お子様の顎下腺がんの可能性について、親御様のご不安にお答えできればと思います。
「顎下腺がんの可能性がどれくらいあるのか知りたい」というご質問についてですが、幼児のお子様における唾液腺の悪性腫瘍、特に顎下腺がんの可能性は非常に低いと考えられています。以下にその理由を簡単にまとめました。
- 稀少性:小児の唾液腺の悪性腫瘍は非常にまれで、多くは耳下腺に発生します。顎下腺での発生は全体の約7.7%〜10%程度です。
- 年齢層の分布:平均的な発症年齢は13歳で、幼児での発生率はさらに低く、全症例のわずか2.5%程度です。
- 腫瘍の大きさと進行:初期の悪性腫瘍は一般的に2.5cm程度の大きさがあります。しこりが1cm程度の場合、悪性である可能性はさらに低くなります。
- 予後:過去の研究では、顎下腺の悪性腫瘍による死亡例は報告されておらず、予後は良好です。
これらの情報から、少し安心していただけるかもしれません。しかし、小さなお子様を持つ親御様のご心配はとても大きいものとお察しいたします。
可能性は低いですが、生検診断を行わない限り、完全に除外することはできません。以下のような場合には、すぐに専門医の診察を受けることをおすすめいたします。
- しこりが大きくなる
- 形状や性質が変わる
また、上記に該当しなくても、何か不安に感じる症状や変化があれば、早めにかかりつけの病院で相談してください。
この情報が少しでもお役に立てれば幸いです。ご質問がありましたら、どうぞお気軽にお知らせください。
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