副腎疲労と甲状腺機能低下症の関係について教えてください。
40代・女性のご相談
ご相談いただきありがとうございます。甲状腺機能低下症でお薬を飲んでいるなか、早朝に目が覚めてしまうことがあり、心療内科で睡眠薬を処方されているのですね。血液検査でコルチゾールや血清鉄、筋力が低いと聞いて、不安なお気持ちかと思います。
「副腎疲労」という言葉を耳にすることがあるかもしれませんが、これはまだ医学的にしっかりとした診断基準がない状態です。ストレスが続くと副腎が疲れてしまい、ホルモンの分泌が減ることがあると言われていますが、これを特定の病気として診断するのは難しいです。他の病気がないか確認することが大切です。
副腎の働きが低下する「副腎不全」や「副腎機能低下症」という状態もあります。これらは副腎からのホルモンが少なくなり、体に不調が出ることがあります。主な症状としては、疲れやすさや食欲がない、体重が減る、血圧が低い、吐き気などがあります。
また、副腎の影響で甲状腺ホルモンの働きが弱くなることもあり、甲状腺機能低下症になることがあります。これらの症状が重なると、体のだるさや食欲不振、便秘、寒がりなどが強く出ることもあります。
今回の血液検査でコルチゾールが低いという結果が出たことから、副腎機能低下症の可能性も考えられます。
血清鉄が低い場合、鉄欠乏性貧血の可能性もあります。これは体のなかの鉄分が足りなくなることで起こる貧血です。疲れやすさや動悸、息切れ、めまい、頭痛、食欲不振、髪が抜けるなどの症状が出ることがあります。
筋力が低いという結果も気になるところです。これは筋力が弱くなっていることを示しています。年齢や運動不足、栄養不足、甲状腺機能低下症、副腎機能低下症、鉄欠乏性貧血などが原因で起こることがあります。
これらの症状は、甲状腺機能低下症の症状と似ている部分もあります。疲れやすさや体重が増える、便秘、寒がり、肌の乾燥、むくみ、記憶力や集中力の低下などがあります。
心療内科で睡眠薬をもらっているとのことですが、早朝に目が覚めてしまう原因が副腎機能低下症や鉄欠乏性貧血、甲状腺機能低下症などの体の問題である場合、睡眠薬だけでは改善しないかもしれません。
【受診のすすめ】
血液検査で異常が見つかっているので、まずはかかりつけの病院で詳しい検査を受けることをおすすめします。その際、睡眠薬を飲んでいることも伝えてください。副腎機能低下症や鉄欠乏性貧血、甲状腺機能低下症の悪化、または他の病気の可能性も考えて、適切な治療を受けることが大切です。
【まとめ】
血液検査の結果から、副腎機能低下症や鉄欠乏性貧血がないか詳しく調べる必要がありそうです。これらの病気は、甲状腺機能低下症の症状と似ている部分もあるため、かかりつけの病院で相談することをおすすめします。早朝に目が覚めてしまう原因が体の問題である場合、睡眠薬だけでは改善しないかもしれません。どうぞお大事になさってください。
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