生理の出血期間が長く、子宮留膿症疑い。対処法を教えてください。
50代・女性のご相談
生理の出血期間が長く続いており、非常に気になっています。1ヶ月間生理が続いたため、クリニックを受診しました。診断の結果、子宮留膿症の疑いがありましたが、子宮頸がんや体癌の細胞診・組織診は陰性で、炎症性の子宮内膜と診断されました。医師からは定期的な検診を受けるよう指示されましたが、その後も生理のたびに出血量が多く、血の塊が見られ、出血期間が20日と長引いています。
このまま様子を見るだけで良いのか、貧血のリスクが心配です。何か有効な治療法があるのでしょうか。どのように対処すれば良いのか、アドバイスをいただけると助かります。
ご相談いただきありがとうございます。子宮の検査を受けられた結果、子宮頸がんや子宮体がんではなく、炎症による子宮内膜の増殖と診断されたとのことですね。その後も生理の出血量が多く、期間も長く続いているとのことで、ご心配なことと思います。
生理の出血量が多い場合、1時間ごとにナプキンを変えないと間に合わない、昼間でも夜用を使わないといけない、500円玉くらいの血の塊が見られるなどの症状があると、過多月経と呼ばれます。また、出血が8日以上続く場合は過長月経といいます。
【考えられる原因と治療法】
この時期はホルモンバランスが乱れやすく、生理不順や出血量が増えることがあります。子宮内膜が厚くなりすぎることが原因で、出血量が増えたり、期間が長引いたりすることもあります。
【他に考えられる原因】
- 子宮筋腫や子宮腺筋症:良性の腫瘍ですが、出血量が増える原因になることがあります。
- 子宮内膜ポリープ:子宮内膜にできる良性の腫瘍で、出血量が増えることがあります。
- 凝固機能異常:血が止まりにくくなることで、出血量が増えたり、期間が長くなることがあります。怪我をしたときに血が止まりにくい、歯茎から出血しやすい、鼻血が出やすいなどの症状がある場合もあります。
- 甲状腺機能異常:甲状腺ホルモンの異常も、生理不順や出血量が増える原因になることがあります。
【治療法の選択肢】
1. 薬物療法
- ホルモン剤:ホルモンバランスを整えて、子宮内膜の増殖を抑えることで、出血量を減らし、期間を短くすることができます。
- 子宮内避妊システム(IUS):子宮内膜を薄くすることで、出血量を減らす効果が期待できます。
- 漢方薬:体質改善やホルモンバランスの調整を目的として使われることがあります。
2. 手術療法
- 子宮内膜焼灼術/子宮内膜切除術:子宮内膜を焼灼または切除することで、生理の出血量を減らす、または生理を止めることを目的とした治療法です。
- 子宮摘出術:子宮を摘出することで、出血量が多い状態や子宮に関連する問題を根本的に治療する方法です。
【今後について】
「このまま様子を見ていて大丈夫か、貧血にならないか」とのご質問ですが、出血量が多い状態が続くと貧血のリスクが高まります。動悸がしやすい、ふらつく、めまいがするなどの症状がある場合は注意が必要です。また、下まぶたの裏が白っぽい場合も貧血のサインかもしれません。
【受診の目安】
- 貧血の症状(めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、顔色が悪いなど)がある
- 生理痛がひどい
- 出血量が多く、日常生活に支障がある
- 血の塊が大きい
- 症状が改善しない、または悪化する
これらの症状がある場合は、早めに婦人科を受診して相談してください。
【まとめ】
生理の出血量や期間が気になる場合、ホルモンバランスの乱れ以外にも原因があるかもしれません。症状が続く場合は、再度婦人科を受診し、医師に相談されることをお勧めします。どうぞお大事になさってください。
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