急性緑内障発作の症状は?急性緑内障発作
監修医師山口 知暁東北大学病院 眼科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
急性緑内障発作と診断された人の受診データ(最初に気になった症状・診療科)
最初に気になった症状
受診した診療科
受診して「急性緑内障発作」と診断されたと回答した人が、症状チェックを始めたときに最も気になる症状として選んだものと、受診した診療科のデータ(自己申告、2024年10月〜2026年9月)です。医師による記録ではなく、世の中全体の割合でもありません。
※%は回答した人に占める割合です。
ユビーで症状チェックしたあと、受診して「急性緑内障発作」と診断されたと回答した人(自己申告)が、最も気になる症状として選んでいたのは、眼痛(32%)、霧視(11%)などでした。
受診した診療科は、眼科(91%)でした。
ユビーなら無料で、症状に関連のある病気や診療科をチェックできます
急性緑内障発作とは
眼球内は房水と呼ばれる水分が循環していますが、急性緑内障発作では、その出口側が急に塞がり、眼内の水がどんどん増えて内圧が上昇します。その結果、眼痛、頭痛、吐き気、目の充血、視力低下などの進行性の症状をきたします。
「急性緑内障発作」とはどのような病気ですか?
急性緑内障発作は眼圧が急激に上昇する緊急疾患です。
急性緑内障発作は、主に房水の排出口(隅角)が急に閉塞することで眼圧が短時間に著しく上昇し、視神経が障害される病気です。強い眼痛、頭痛、吐き気、視力低下が急に出現します。放置すると短期間の間に失明する危険があるため、発症時はただちに眼科を受診する必要があります。
発作は遠視傾向の中高年女性に多く、暗所や薬剤などが誘因になることがあります。治療は点滴や内服で眼圧を下げ、レーザーや手術で再発予防を行います。
急性緑内障発作の症状
急性緑内障発作には初期症状はありますか?
急性緑内障発作では、急激に起こる眼痛と視力低下が特徴です。
急性緑内障発作では、発作の始まりに目の痛みや圧迫感、急な視力低下が現れます。これらは眼圧が上昇し始めたサインで、放置すると症状が急速に悪化します。中には光の周囲に虹色の輪が見える虹視や、軽い頭痛、かすみ目などを伴うこともあります。
初期症状の段階で受診すれば、薬やレーザー治療によって眼圧で視神経が傷んでいくのを、最小限で防げる可能性がありますが、時間が経つと視機能に不可逆的な障害を残す危険が高くなります。
ブリンゾラミド・チモロールマレイン酸塩(アゾルガⓇ)の特徴を教えてください。
異なる作用の2成分を配合することで、単独で使用した場合よりも優れた眼圧降下作用を持つ懸濁性点眼液です
ブリンゾラミド・チモロールマレイン酸塩(アゾルガⓇ)には以下のような特徴があります。
高い有効性
チモロールを単独で使用した場合よりも優れた眼圧降下作用が確認されています。また、ブリンゾラミドとチモロールを別々に使用した場合と同等の効果(非劣性)が認められています。
懸濁性(けんだくせい)製剤
薬の成分の粒子が液中に浮遊しているタイプの目薬です。そのため、使用前に容器をよく振る必要があります。
利便性
2種類の薬を1本にまとめることで、1回1滴、1日2回の点眼で済みます。
点眼後に一時的に目がかすむ(霧視)ことがあるため、回復するまで機械の操作や運転には注意が必要です。
参考文献
ノバルティス ファーマ株式会社.“アゾルガⓇ配合懸濁性点眼液 添付文書 2021年7月改”..https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/300242_1319821Q1027_2_04,(参照 2026-01-13).
ノバルティス ファーマ株式会社.“アゾルガⓇ配合懸濁性点眼液 患者向医薬品ガイド 2021 年7月更新”..https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/GUI/300242_1319821Q1027_2_00G.pdf,(参照 2026-01-13).
ノバルティス ファーマ株式会社.“アゾルガⓇ配合懸濁性点眼液 医薬品インタビューフォーム 2021年7月改訂”..https://www.info.pmda.go.jp/go/interview/2/300242_1319821Q1027_2_AGA_1F.pdf,(参照 2026-01-13).
急性緑内障発作の原因
急性緑内障発作の原因は何がありますか?
急性緑内障発作の誘因は暗所での作業やうつむき姿勢、薬剤などです。
この病気は、主に目の前房が浅い人で起こりやすく、虹彩と水晶体が接近して房水の流れが妨げられる「瞳孔ブロック」が発作の直接原因です。
誘因としては暗所での作業(瞳孔散大)、長時間のうつむき姿勢、感冒薬などの瞳孔散大作用を持つ薬剤が挙げられます。加えて遠視傾向、小さな眼球、加齢による水晶体肥大、アジア人や女性といった背景も発症リスクを高めます。これらが重なると眼圧が急激に上昇し、視神経障害を引き起こします。
急性緑内障発作の検査・診断
急性緑内障発作はどのように診断されますか?
眼圧測定や隅角検査で発作の有無を診断します。
急性緑内障発作は、典型的な症状と眼科での検査を組み合わせて診断されます。
まず、眼圧測定で著しい眼圧上昇を確認します。加えて、細隙灯顕微鏡で角膜浮腫や虹彩の前方突出、瞳孔の散大などを観察します。さらに、隅角鏡を用いて隅角が閉塞しているかを確認することもありますが、高度の角膜浮腫で確認が困難なことも多いです。
視力検査や視神経乳頭の状態も評価され、視神経障害の有無を把握します。特徴的な眼痛や頭痛、吐き気を伴う臨床症状と、検査所見の組み合わせにより総合的に診断されます。早期発見・早期治療が視力予後を大きく左右するため、疑わしい症状があれば、速やかな眼科受診が必要です。
急性緑内障発作のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
急性緑内障発作は、眼圧が急激に上昇して、視力障害や激しい眼痛を起こす緊急疾患です。自宅で正確に診断することはできませんが、セルフチェックの目安として、以下の症状に注意します。
これらが急に出現した場合は、急性緑内障発作の可能性があります。その場合には自然に治ることはほぼなく、放置すると短時間で失明に至る危険があります。夜間でも救急対応可能な眼科を受診してください。
また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、急性緑内障かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。
急性緑内障発作ではどのような検査をしますか?
眼圧測定、細隙灯検査、隅角鏡検査などを行います。
急性緑内障発作が疑われる場合、まず眼圧測定で異常な高眼圧を確認します。次に細隙灯顕微鏡で角膜の浮腫や虹彩の前方突出、瞳孔散大などを観察します。
また、隅角鏡で隅角が閉塞しているかを調べることもありますが、実際に観察できるかは目の状態に左右されます。さらに視神経乳頭の状態を眼底検査で確認し、視神経障害の有無を評価します。
必要に応じて、前眼部OCTや超音波検査で、前房の深さや隅角の構造を画像的に把握することもあります。これらの検査を総合し、典型的な眼痛や視力低下、吐き気などの症状と合わせて診断が行われます。
急性緑内障発作の治療・対処法
急性緑内障発作への対処法は?
基本的には自然軽快を待つしかありませんが、結膜炎が強い場合はステロイド点眼を使用します。ウイルス性感染症のため、抗菌薬は効果がありませんが、細菌感染が合併する兆候がある場合は、使用します。予防は手洗いです。
急性緑内障発作ではどのような手術をしますか?
レーザー治療や虹彩切除術、白内障手術です。
急性緑内障発作では、まず点滴や内服で眼圧を下げ、状態を安定させます。その治療と並行して、再発予防と根治のために手術が行われます。代表的なのはレーザー虹彩切開術(レーザー虹彩切除術)で、虹彩に小さな孔を開けて房水の流れを改善し、隅角の閉塞を防ぎます。
レーザーが困難な場合や十分な効果が得られない場合は、外科的に虹彩の一部を切除する手術(周辺虹彩切除術)が行われます。また、白内障手術を行うこともあります。いずれも再発を防ぎ、視力を守るための重要な処置であり、早期に行うことが重要です。術後にも、定期的に眼科での診察を受けることも必要です。
急性緑内障発作の場合、主にどのような治療をしますか?
主に薬で眼圧を下げ、レーザーや手術で再発を防ぎます。
急性緑内障発作では、まず点滴や内服薬(炭酸脱水酵素阻害薬など)で房水産生を抑え、浸透圧利尿薬(マンニトールなど)で眼圧を急速に下げます。同時に縮瞳薬(ピロカルピン)で瞳孔を小さくし、隅角を開くようにします。痛みには鎮痛薬を併用することもあります。
その後は、白内障手術、レーザー虹彩切開術(LI)や外科的虹彩切除術で、房水の通り道を作り、再発を予防します。もう片目も高リスクの場合は、予防的に同様の処置を行います。早期治療が視力保護の鍵となります。
受診の目安・何科を受診するべきか
急性緑内障発作が起きたら救急車を呼ぶべきですか?
強い痛みや吐き気を伴う場合は救急車が望ましいです。
急性緑内障発作は眼圧が急激に上昇し、短時間で視神経を障害して失明に至る危険があるため、救急対応が必要な病気です。症状としては、強烈な眼痛や頭痛、視力低下に加え、吐き気や嘔吐を伴うことが多いです。
頭痛や吐き気など、全身の症状も伴うこともあり、このような場合には、急性緑内障発作以外の可能性についても考慮する必要があります。このような場合は、ためらわず救急車を呼ぶべきです。
急性緑内障発作が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?
急な眼痛や視力低下があればただちに受診しましょう。
急性緑内障発作は、数時間〜数日で失明に至る危険があるため、受診の判断は「迷ったらすぐ」が基本です。特に片目の急な痛み、かすみ、光の周囲に虹が見える虹視、吐き気や頭痛などの症状が同時に起きた場合は緊急性が高く、夜間や休日でも救急外来を通じて眼科医の診察を受ける必要があります。
症状が一時的に軽くなっても、発作が再燃することがあり、放置すると不可逆的な視神経障害を残すため、早期診断・治療が視力保護の鍵になります。
急性緑内障発作の名医の探し方を教えてください。
専門医資格を持つ眼科医を中心に探すとよいです。
急性緑内障発作は、早期の治療が必要な病気で、迅速にかつ適切な治療を受けることが大切です。
名医を探す際には、日本眼科学会の眼科専門医検索システムを活用するのが有効です。特に緑内障を専門とする医師や、大学病院・大規模総合病院の眼科に所属する医師は症例数も多く、最新の治療方針に精通しています。
しかしながら、早急な対応が必要な疾患であるため、すぐに受診でき、救急対応ができる病院を優先して探すことが大切でしょう。
Ubieでは「かんたん医師相談」から、気軽に医師に相談することも可能です。
急性緑内障発作が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?
眼科をできるだけ早く受診してください。
急性緑内障発作は眼圧が急激に上昇し、短時間で視神経が損傷する恐れがあるため、早期治療が極めて重要です。眼痛、視力低下、虹視、頭痛や吐き気などの症状がある場合は、すぐに眼科を受診してください。
夜間や休日などで眼科が閉まっている場合は、救急外来を通じて、眼科医の診察を受けられる医療機関を探すことが必要です。一般内科や外科などでは確定診断や緊急処置が困難なため、眼科での専門的な検査と治療が必要になります。
急性緑内障発作の専門医がいる近くの病院はありますか?
急性緑内障発作の専門医がいる病院を見る急性緑内障発作の薬
ブリンゾラミド・チモロールマレイン酸塩(アゾルガⓇ)では、どのような副作用がみられますか?
このお薬の主な副作用は、眼の刺激や角膜の表面に小さな傷や炎症がたくさんできる点状角膜炎などです。
ブリンゾラミド・チモロールマレイン酸塩(アゾルガⓇ)の主な副作用は、眼の刺激や角膜の表面に小さな傷や炎症がたくさんできる点状角膜炎などです。重い副作用として、気管支痙攣や呼吸困難目の結膜に慢性的な炎症や瘢痕(きずあと)ができる眼類天疱瘡などがあげられていますので、以下の症状に注意してください。
【重大な副作用】
虹彩色素沈着(頻度不明)
黒目の色が濃くなる などの症状がみられます。
眼類天疱瘡(頻度不明)
目の充血や刺激、涙が出やすいなどの症状がみられます。
気管支痙攣、呼吸困難、呼吸不全(いずれも頻度不明)
激しい咳、息苦しい、胸の圧迫感などの症状がみられます。
心ブロック、うっ血性心不全、心停止(いずれも頻度不明)
動悸、意識の消失、息切れ、倦怠感などの症状がみられます。
脳虚血、脳血管障害(いずれも頻度不明)
手足のしびれや脱力、言葉が出にくい、ふらつき、頭痛などの症状がみられます。
全身性エリテマトーデス(頻度不明)
発熱、倦怠感、赤い発疹ができるなどの皮膚症状、関節痛などの症状がみられます。
【その他報告されている副作用】
〔頻度:1%~5%未満のもの〕
- 眼刺激、点状角膜炎
- 味覚異常
〔頻度:0.1~1%未満のもの〕
- 霧視、角膜炎、結膜充血、眼痛、眼乾燥、眼そう痒感、羞明
- 異常感、頭位性回転性めまい、咳嗽、けん怠感、血中乳酸脱水素酵素増加、血中カリウム増加、白血球数減少
参考文献
ノバルティス ファーマ株式会社.“アゾルガⓇ配合懸濁性点眼液 添付文書 2021年7月改”..https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/300242_1319821Q1027_2_04,(参照 2026-01-13).
ノバルティス ファーマ株式会社.“アゾルガⓇ配合懸濁性点眼液 患者向医薬品ガイド 2021 年7月更新”..https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/GUI/300242_1319821Q1027_2_00G.pdf,(参照 2026-01-13).
ノバルティス ファーマ株式会社.“アゾルガⓇ配合懸濁性点眼液 医薬品インタビューフォーム 2021年7月改訂”..https://www.info.pmda.go.jp/go/interview/2/300242_1319821Q1027_2_AGA_1F.pdf,(参照 2026-01-13).
ブリンゾラミド・チモロールマレイン酸塩(アゾルガⓇ)には、どのような効果がありますか?
眼圧を調整する水の産生を抑え、眼圧を下げる効果があります。
ブリンゾラミド・チモロールマレイン酸塩(アゾルガⓇ)は、作用の異なる2種類の成分を組み合わせた、緑内障・高眼圧症治療薬です。
1. ブリンゾラミド(炭酸脱水酵素阻害剤)
眼の中にある酵素の働きを抑えます。
2. チモロールマレイン酸塩(β-遮断剤)
交感神経の受容体をブロックします。
これら2つの有効成分が、眼圧を調整する「房水(眼の中の水)」の産生を抑制し、眼圧を下げます。通常、他の緑内障治療薬を使っても効果が十分でない場合に処方されます。自己判断で中止したり、使用量を加減したりすると病気が悪化することがあるため、医師の指示通りに使用し続けることが重要です。
参考文献
ノバルティス ファーマ株式会社.“アゾルガⓇ配合懸濁性点眼液 添付文書 2021年7月改”..https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/300242_1319821Q1027_2_04,(参照 2026-01-13).
ノバルティス ファーマ株式会社.“アゾルガⓇ配合懸濁性点眼液 患者向医薬品ガイド 2021 年7月更新”..https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/GUI/300242_1319821Q1027_2_00G.pdf,(参照 2026-01-13).
ノバルティス ファーマ株式会社.“アゾルガⓇ配合懸濁性点眼液 医薬品インタビューフォーム 2021年7月改訂”..https://www.info.pmda.go.jp/go/interview/2/300242_1319821Q1027_2_AGA_1F.pdf,(参照 2026-01-13).
ブリンゾラミド・チモロールマレイン酸塩(アゾルガⓇ)には、飲み合わせてはいけないもの(禁忌)はありますか?
この薬と併用してはいけない薬(併用禁忌)は設定されていません
ブリンゾラミド・チモロールマレイン酸塩(アゾルガⓇ)には、一緒に使用してはいけない薬(併用禁忌)は設定されていません。しかし、患者さんの安全を確保するため、この薬を使用してはいけない方(禁忌)が以下の通り定められています。
気管支喘息、気管支痙攣、重篤な慢性閉塞性肺疾患がある方
喘息発作を誘発するおそれがあります。
コントロール不良の心不全、洞性徐脈、重い房室ブロックなどがある方
症状を悪化させるおそれがあります。
重い腎障害のある方
お薬の成分が体内に蓄積するおそれがあります。
過敏症のある方
このお薬の成分に対してアレルギー歴のある方。
また、飲み薬のβ遮断剤やカルシウム拮抗剤などは、作用が強まる可能性があるため注意が必要です(併用注意)。このほかにも、併用に注意が必要なお薬が多数ありますので、現在、他の薬を服用している場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
参考文献
ノバルティス ファーマ株式会社.“アゾルガⓇ配合懸濁性点眼液 添付文書 2021年7月改”..https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/300242_1319821Q1027_2_04,(参照 2026-01-13).
ノバルティス ファーマ株式会社.“アゾルガⓇ配合懸濁性点眼液 患者向医薬品ガイド 2021 年7月更新”..https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/GUI/300242_1319821Q1027_2_00G.pdf,(参照 2026-01-13).
ノバルティス ファーマ株式会社.“アゾルガⓇ配合懸濁性点眼液 医薬品インタビューフォーム 2021年7月改訂”..https://www.info.pmda.go.jp/go/interview/2/300242_1319821Q1027_2_AGA_1F.pdf,(参照 2026-01-13).
急性緑内障発作の予防
急性緑内障発作を予防する方法はありますか?
予防的レーザー治療、あるいは白内障手術です。
急性緑内障発作の予防には、白内障手術や予防的レーザー治療があり、目の形態に応じた治療が選ばれます。
隅角が狭く発作の危険が高い場合、まず行われるのがレーザー虹彩切開術で、虹彩に小さな孔を作って房水の流れを改善し、隅角閉塞を防ぎます。比較的低侵襲で、予防的治療として広く行われています。
一方、白内障が進行して水晶体が厚くなり、隅角を圧迫しているケースでは、白内障手術で水晶体を取り除くことで前房が広がり、根本的に発作を防ぐことができます。どちらを選択するかは、目の状態や年齢、白内障の有無によって決まります。
対処法・セルフケア
急性緑内障発作の場合、日常生活で気をつけることはありますか?
暗所や長時間のうつむき姿勢を避けましょう。
急性緑内障発作は、瞳孔が中等度に開くことで誘発されやすいため、暗い場所での長時間作業は避けることが望ましいです。また、長時間のうつむき姿勢や過度な水分一気飲みも眼圧上昇を招く可能性があります。
処方された点眼薬や内服薬は指示通り継続し、再発防止のため、定期的に眼科で目の状態を確認することが重要です。
もう片方の目も発作のリスクが高いため、予防的レーザー治療や手術治療を検討することがあります。万が一、発作を疑う症状があれば、すぐに眼科を受診してください。
急性緑内障発作で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
レーザーや手術治療を行います。
急性緑内障発作での薬物治療は補助的な治療であり、早期にレーザー虹彩切開術(LI)や外科的虹彩切除術や水晶体摘出術(白内障手術)といった治療を並行して行うことが多いです。
LIでは虹彩に小さな穴を開けて、房水の流れを改善します。レーザーでの治療が困難な場合や再発リスクが高い場合などでは、外科的虹彩切除術や水晶体摘出術(白内障手術)を行うことがあります。
状況に応じて、これらの治療が使い分けられています。いずれも視神経の障害を最小限に抑えるため、迅速な決断と治療が必要です。
急性緑内障発作に関連するその他の質問
急性緑内障発作で目が充血することはありますか?
眼圧上昇で結膜や虹彩の血管が充血します。
急性緑内障発作では眼圧が急激に高まり、眼球内の血流が悪くなることで結膜や虹彩の血管が拡張して、目が充血することがあります。特に、角膜周囲がリング状に赤くなる「毛様充血」という所見が見られることが多いです。
単なる疲れ目などでも見られる充血とは異なり、強い眼痛や視力低下、頭痛、吐き気などを伴う点が重要な違いです。この状態を放置すると、視神経が不可逆的に障害され失明の危険があります。そのため、充血と強い症状が同時に現れた場合は、ただちに眼科を受診することが必要です。
急性緑内障発作に前兆はありますか?
多くは突然強い眼痛や見えづらさが出ます。
急性緑内障発作は、いきなり強い目の痛みと見えづらさで始まることが多いです。同時に視界のかすみ、光の周囲に虹のような輪が見える虹視、頭痛、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。症状は自然に改善することは基本的にはありません。
放置すると視神経が短期間で不可逆的に障害されるため、発症したらすぐに眼科を受診する必要があります。特に中高年の遠視傾向の方や、過去に片目で発作を起こした方は、急性緑内障発作のリスクが高く、注意が必要です。
急性緑内障発作が起きると見え方はどうなりますか?
かすみ目や霧視、虹のような光の輪が見えます。
急性緑内障発作が起こると、急激な眼圧上昇により角膜がむくんで混濁し、視界がかすんだり白っぽく曇って見える「霧視」が出ます。また、街灯や電灯など、強い光の周りに虹色の光の輪(虹視)が見えることも特徴的です。
視界は全体的にぼやけ、急速に視力が低下していくことがあります。症状が進むと視野の欠けや暗点が生じ、放置すれば視神経が障害され失明の危険もあります。
単なる疲れ目や老眼と異なり、強い眼痛や頭痛、吐き気を伴うことが多い点が重要な特徴です。これらの見え方の変化に気づいた場合は、緊急に眼科を受診する必要があります。
急性緑内障発作で失明することはありますか?
治療が遅れると短期間で失明に至ります。
急性緑内障発作は、眼圧が急激に上昇して視神経を強く障害するため、放置すると短期間のうちに視力を失う危険があります。視神経は一度傷つくと再生しないため、視野欠損や視力低下は不可逆的です。特に発作を繰り返した場合や、初期対応が遅れた場合には失明のリスクが非常に高くなります。
ただし、発作を早期に発見し、適切に眼圧を下げる薬物治療やレーザー治療・手術を行えば、視力を守ることができるケースも多いです。そのため、症状に気づいたら速やかに、眼科を救急受診することが最も重要です。
急性緑内障発作は片目だけに起こりますか?
多くは片目に起こりますが、両目に起こる可能性もあります。
急性緑内障発作は解剖学的条件(浅い前房や狭い隅角)を持つ目に発症し、発作時は多くの場合は片目のみです。しかし、もう片方の眼も同じ構造的特徴を持っている場合が多く、将来的に発作を起こす危険性があります。
そのため、片眼に発作が起きた場合でも、反対眼の精密検査が必須で、予防的にレーザー虹彩切開術や白内障手術などを行うことがあります。両眼に同時に発症することはまれですが、発作の素因が強い場合には十分注意が必要です。
急性緑内障発作にストレスは関係しますか?
ストレスが直接の原因になることはほとんどありません。
急性緑内障発作は、隅角が急に閉じて房水の排出が妨げられ、眼圧が急上昇することで起こります。主な原因は浅い前房や狭い隅角といった解剖学的素因で、暗所での瞳孔散大、薬剤の影響、体位変化などが直接の誘因です。
精神的ストレスは、自律神経の変化を通じて、瞳孔の運動に変化をもたらす可能性はありますが、それ単独で発作を起こすことはほとんどありません。多くの場合には、ストレスではなく、他の明確な誘因や構造的素因が関与して発症します。
急性緑内障発作と眼圧の関係性を教えてください。
急性緑内障発作は眼圧が急上昇することで起こります。
急性緑内障発作は、房水の排出が急に妨げられて、眼圧が急激に上昇することで発症します。通常の眼圧は10~21mmHg程度ですが、発作時には40~60mmHg以上に達することもあり、強い眼痛や頭痛、吐き気、急激な視力低下を引き起こします。
眼圧上昇が長時間続くと視神経が圧迫され、不可逆的な障害を残し失明につながる危険があります。そのため、急性緑内障発作は「眼圧の急上昇が原因で起こる緊急事態」と言えます。治療の第一歩も眼圧を迅速に下げることであり、点滴や内服薬、レーザー治療や手術を組み合わせて対応します。
急性緑内障発作と瞳孔ブロックの関係性を教えてください。
瞳孔ブロックが主因となり急性緑内障発作を起こします。
急性緑内障発作の多くは「瞳孔ブロック」という現象がきっかけで起こります。
瞳孔が中等度に開いた状態になると、虹彩の後ろから前房へ流れる房水の通り道が水晶体により塞がれ、後房の圧力が高まります。その結果、虹彩が前方に押し出されて隅角が急激に閉塞し、房水が排出できなくなり、眼圧が急上昇します。これが急性緑内障発作の典型的な発症機序です。
つまり、瞳孔ブロックは急性閉塞隅角緑内障の主要な原因であり、予防や治療として、レーザー虹彩切開術で新たな通路を作るのは、このブロックを解除することが目的です。
急性緑内障発作と急性閉塞隅角緑内障の違いを教えてください。
急性緑内障発作は状態、閉塞隅角緑内障は病名です。
急性緑内障発作とは、眼圧が急激に上昇して強い眼痛、視力低下、頭痛や吐き気などを伴う「発作の状態」を指します。
一方、急性閉塞隅角緑内障は、房水の排出口である隅角が虹彩により、急に塞がれて眼圧が急上昇する「病気そのもの」を意味します。多くの場合、この病気によって急性緑内障発作が起こります。
つまり、急性閉塞隅角緑内障という病態が原因で、急性緑内障発作という状態が引き起こされるという関係です。ただし、実際の医療現場ではしばしば同じように使われます。
急性緑内障発作を起こしやすい年齢はありますか?
中高年、特に50歳前後以降で多く発症します。
急性緑内障発作は、加齢により水晶体が肥大して前房が浅くなり、隅角が狭くなることで起こりやすくなります。そのため、発症年齢は50歳代以降に多くなっていき、特に遠視傾向のある中高年女性に多くみられます。
若年層ではまれですが、解剖学的素因が強い場合や薬剤使用、外傷などをきっかけに発症することがあります。加齢による構造変化は両眼に起こるため、片眼に発作を起こした場合は、反対眼も将来的な発症リスクが高く、予防的処置が検討されます。
ブリンゾラミド・チモロールマレイン酸塩(アゾルガⓇ)の点眼方法を教えてください。
よく振ってから1回1滴、1日2回点眼し、点眼後は目頭を押さえます。
ブリンゾラミド・チモロールマレイン酸塩(アゾルガⓇ)の点眼方法は以下の通りです。
1. よく振る
この薬は成分が沈殿しやすいため、キャップを閉じたままよく振ってから使用してください。
2. 点眼
容器の先が目やまつ毛に触れないように注意し、1回1滴を点眼します。
3. 点眼後の処置
点眼後は静かに目を閉じ、そのまま目頭(涙嚢部)を指で1~5分間押さえてください。これにより、薬が全身に回るのを防ぎ、副作用を軽減するとともに効果を高めます。
4. 間隔
他の点眼薬も使う場合は、10分以上間隔をあけてください。
5. コンタクトレンズ
レンズを外してから点眼し再装用する場合は、点眼後15分以上空けてください。
参考文献
ノバルティス ファーマ株式会社.“アゾルガⓇ配合懸濁性点眼液 添付文書 2021年7月改”..https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/300242_1319821Q1027_2_04,(参照 2026-01-13).
ノバルティス ファーマ株式会社.“アゾルガⓇ配合懸濁性点眼液 患者向医薬品ガイド 2021 年7月更新”..https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/GUI/300242_1319821Q1027_2_00G.pdf,(参照 2026-01-13).
ノバルティス ファーマ株式会社.“アゾルガⓇ配合懸濁性点眼液 医薬品インタビューフォーム 2021年7月改訂”..https://www.info.pmda.go.jp/go/interview/2/300242_1319821Q1027_2_AGA_1F.pdf,(参照 2026-01-13).
急性緑内障発作について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「急性緑内障発作」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 目が痛みますか?
- 片目が見えない状態ですか?
- 白目に赤みがありますか?
- 片方の目から涙が出ていますか?
- 白目が充血(血管の走行が目立つ状態)していますか?
急性緑内障発作に関連する病気・症状
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この記事の監修医師
山口 知暁 先生
東北大学病院 眼科
【経歴】 金沢桜丘高校卒業 金沢医科大学卒業 東北大学卒後研修センター 臨床研修 東北大学病院 眼科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03