ボーエン病

監修医師阿部 吉倫内科

更新日
2023/01/25
公開日
2020/09/03

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ボーエン病とは

紫外線やヒトパピローマウイルスが関与すると考えられている皮ふがんです。皮ふ表面に留まって真皮には及んでいない状態であり、通常他の臓器へ転移することはありませんが、放置すると真皮に侵入して進行することがあります。

「ボーエン病」とはどのような病気ですか?

皮膚の一番表面の層にとどまる早期の皮膚がんで、適切に手術で切り取れば完治が見込める病気です。

【ボーエン病とは】

ボーエン病は、皮膚の表面にある表皮の細胞ががん化したものです。がんの増殖が表皮の中だけに留まっているため、「表皮内がん」と呼ばれる早期のがんであり、この段階であれば通常、他に転移することはありません。

【主な症状と特徴】

中年以降に発症しやすく、体や足、陰部などに多く発生します。主な特徴は以下の通りです。

  • 赤くてざらざらしており、表面に細かいフケのようなものが付いている
  • 円形やいびつな地図状で、境界がはっきりしている
  • 湿疹に似ているが、湿疹の薬を塗っても治らず少しずつ広がる

【進行した場合】

そのまま放置すると、がん細胞が表皮の下にある真皮という深い組織にまで侵入します。さらに進行するとリンパ節や内臓に転移する危険性があり、命に関わることもあります。

さらに詳しく:「ボーエン病」とはどのような病気ですか?監修医師初岡 佑一日本医科大学付属病院形成外科 形成外科
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ボーエン病の症状

ボーエン病には初期症状はありますか?

米粒大ほどの赤くてざらざらした湿疹のような病変が現れ、細かいフケのようなものが付着します。

【初期の見た目と形】

初期は米粒大の小さなサイズで現れることがあります。表面が赤くてざらざらしており、細かいフケのようなものが付着しているのが特徴です。
色は赤だけでなく、普通の皮膚の色や褐色、灰色などが混じることもあります。
通常は1個だけでき、円形やいびつな地図のような形で、正常な皮膚との境界がはっきりしています。基本的には平らですが、盛り上がることもあります。

【湿疹との違い】

見た目が普通の湿疹にとてもよく似ています。しかし、湿疹の塗り薬を使ってもよくならず、少しずつ大きくなっていくのが特徴です。

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ボーエン病ではどのような症状がありますか?

赤くざらざらした円形や地図状の病変ができ、湿疹の薬を塗っても治らずに徐々に広がるのが特徴です。

【主な見た目の特徴】

ボーエン病の病変は、赤色や褐色、灰色などが混じった、円形や地図のような形をしています。
病変と正常な皮膚との境界がはっきりしており、通常はひとつだけできます。表面はざらざらとして細かいフケのようなものが付着しており、基本的には平らですが、盛り上がることもあります。
大きさは米粒大の小さなものから、手のひらサイズ以上に大きくなることもあります。

【発生しやすい場所】

足(太ももやすね)、背中、お腹、陰部などに多く発生しますが、顔や耳など日光が当たる場所にできることもあります。

【湿疹との違い】

見た目が湿疹とよく似ていることがありますが、湿疹の塗り薬を使ってもよくならず、少しずつ範囲が広がっていくのが大きな特徴です。

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ボーエン病の原因

ボーエン病の原因は何がありますか?

明確な原因は不明ですが、紫外線、ヒトパピローマウイルス、砒素の摂取が関連しているとされます。

【ボーエン病の原因について】

ボーエン病がなぜ発症するのか、はっきりとした原因はまだわかっていません。しかし、いくつかの要因が発症に関係していると考えられています。

【発症に関係する主な要因】

以下の3つが、主な要因として指摘されています。

  • 紫外線:長期間にわたって、日光などの紫外線を浴びることが影響するとされています。
  • ウイルス感染:イボの原因にもなる「ヒトパピローマウイルス」の感染が関わっていると考えられています。
  • 砒素(ひそ)の摂取:体にいくつもボーエン病ができる(多発する)場合、過去に有害物質である砒素を体に取り込んだことが関係していると言われています。
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ボーエン病の検査・診断

ボーエン病のセルフチェックはできますか?

解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。

【セルフチェックの限界】

完全なセルフチェックは困難で、疑えば皮膚科受診が必要です。

【気づくヒント】

次の特徴があれば注意

  • 赤くて境界がはっきりした皮膚
  • 表面がカサカサ・かさぶた状
  • ゆっくり大きくなる
  • かゆみや軽い痛みがあることも

【受診の目安】

以下なら受診を検討

  • 数ヶ月以上治らない
  • 市販薬で改善しない
  • 徐々に大きくなる

また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、ボーエン病かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。

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ボーエン病の治療・対処法

ボーエン病への対処法は?

手術での切除が必要です。皮ふ科受診をお勧めします。

ボーエン病の場合、主にどのような治療をしますか?

原則として手術で病変を切り取ります。進行度や大きさに応じて皮膚の移植や放射線治療なども行われます。

【早期の治療】

ボーエン病は、初期の段階であれば病変を切り取る手術で完治することがほとんどです。通常、病変の周囲から数ミリメートル離して切除します。

  • 小さな病変:切り取ったあと、傷口を直接縫い合わせて閉じます。
  • 大きな病変:切り取ったあとの傷口が大きくなる場合は、体の他の部位から皮膚を移植する「植皮術」や、周囲の皮膚を移動させて覆う「皮弁形成術」という方法で修復します。切除後の転移や再発はまれです。

【進行した場合の治療】

がんが皮膚の深い部分にまで進行しているボーエンがんの場合は、病変の切除や皮膚の修復に加えて、以下の治療を組み合わせることがあります。

  • がんが転移しやすいリンパ節を取り除く手術
  • 放射線治療
  • 抗がん剤の投与
  • レーザーや冷凍によってがん細胞を破壊する治療
さらに詳しく:ボーエン病の場合、主にどのような治療をしますか?監修医師初岡 佑一日本医科大学付属病院形成外科 形成外科

ボーエン病の手術費用について教えてください。

外来手術は数千〜数万円、入院手術は数万〜十数万円が目安です。

【外来(日帰り)の場合】

ボーエン病は、外来で切除することが多いです。自己負担3割では、数千円から4万円前後がひとつの目安です。これに診察料や病理検査料が別にかかります。

【入院して手術する場合】

病変が大きい、縫い縮めにくい、植皮などが必要な場合は入院になることがあります。自己負担3割で、手術と入院を合わせて数万円から十数万円程度になることがあります。個室代などでさらに上がることもあります。

【費用が変わる理由】

費用は、病変の大きさ、できた場所、再建の有無、入院日数、年齢や保険負担割合で変わります。

【注意点】

保険診療が基本ですが、実際の負担額には幅があります。高額療養費制度の対象になることもあるため、事前に病院で確認すると安心です。

さらに詳しく:ボーエン病の手術費用について教えてください。監修医師初岡 佑一日本医科大学付属病院形成外科 形成外科

ボーエン病は完治する病気ですか?

早期の段階で病変を切り取るなどの適切な治療を行えば、完治する可能性が高い病気です。

【早期治療による完治】

ボーエン病は早期の皮膚がん(表皮内がん)であり、初期の段階できちんと治療すれば、完治する可能性が高い病気です。
主に病変を切り取る手術が行われ、手術で完全に取り除くことができれば、その後の再発や転移はまれであるとされています。

【放置した場合の危険性】

早期であれば完治しやすい病気ですが、がんであることには変わりありません。
治療せずに放置していると、がん細胞が皮膚の深い部分に進行し、リンパ節や内臓に転移して命に関わる危険性があります。
そのため、治りにくい湿疹のような症状がある場合は、自己判断で放置せず、早期に専門医を受診して確実な治療を受けることが非常に重要です。

さらに詳しく:ボーエン病は完治する病気ですか?監修医師初岡 佑一日本医科大学付属病院形成外科 形成外科
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受診の目安・何科を受診するべきか

ボーエン病が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?

湿疹の薬を塗っても治らず、少しずつ広がる場合は受診を検討しましょう。

【受診を検討すべき症状】

ボーエン病は、表面が赤くざらざらしており、一見するとただの湿疹のように見えることがあります。
しかし、湿疹の薬を使ってもよくならず、少しずつ範囲が広がっていくのが特徴です。このような症状がある場合は、ボーエン病の可能性を考えて病院を受診することが大切です。

【早期受診の重要性】

ボーエン病は専門家でも他の皮膚病との区別が難しい場合があり、最終的な診断には病理診断(組織の一部を採取して調べる検査)が必要です。
初期の段階であれば手術で完治しやすい病気ですが、放置するとがん細胞が皮膚の深い部分へ進行し、リンパ節や内臓に転移して命に関わる危険性があります。そのため、治りにくい湿疹のような症状があれば、自己判断で放置せず早めに専門家の診察を受けることが重要です。

さらに詳しく:ボーエン病が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?監修医師初岡 佑一日本医科大学付属病院形成外科 形成外科

ボーエン病が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?

ボーエン病が疑われたら、まず皮膚科を受診してください。

【受診すべき科】

ボーエン病が疑われる場合は、まず皮膚科が適切です。

【理由】

ボーエン病は皮膚の表面にできる「がんの初期状態」です。皮膚科では以下が可能です。

  • 見た目の評価(診察)
  • 拡大して観察(ダーモスコピー)
  • 必要に応じて一部を取って検査(生検)

【他科が関わるケース】

状況によっては、他の科も関与します。

  • 大きい病変 :形成外科(手術や再建)
  • 陰部や肛門周囲:婦人科・泌尿器科

【注意点】

  • 放置すると深いがんに進む可能性あり
  • 気になる皮疹は早めに皮膚科へ
さらに詳しく:ボーエン病が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?監修医師初岡 佑一日本医科大学付属病院形成外科 形成外科

ボーエン病の専門医がいる近くの病院はありますか?

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ボーエン病の薬

ボーエン病は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

フルオロウラシルという塗り薬を使用することがあります。

【基本の考え方】

ボーエン病の治療は、手術で切り取る方法が基本(第一選択)であり、薬は代替・補助的な治療です。

【ボーエン病の塗り薬】

ボーエン病(早期の皮膚がん)の治療には、主にフルオロウラシルという塗り薬が使用されます。
1日1〜2回患部に塗り、上から覆って密封する方法が推奨されています。
なお、別の塗り薬(イミキモド)が使われることもありますが、日本ではボーエン病への保険適用がありません。

【副作用について】

フルオロウラシルを使った研究では、重篤な副作用(有害事象)の発生はなかったと報告されています。また、イミキモドを使った研究でも副作用の発生はごくわずかであり、塗り薬による治療は比較的安全と言えます。

【進行した場合の薬物治療】

がんが進行して「ボーエンがん」になった場合は、塗り薬ではなく、抗がん剤が投与されることがあります。

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対処法・セルフケア

ボーエン病で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?

ボーエン病では、手術で切り取る治療が基本です。

【基本の考え方】

ボーエン病では、手術で切り取る治療が基本です。外用薬や凍結療法は、病変の大きさや場所、体の状態に応じて選ばれます。

【早期手術の重要性】

ボーエン病は早期の皮膚がんですが、放置するとがん細胞が皮膚の深い部分にまで進行する危険性があります。そのため、薬で治らない場合は、手術でがん細胞を完全に取り除くことが確実な治療法となります。

【疑わしい場合の注意点】

少しでもがんが深く進行している(浸潤がん)と疑われる場合も、薬ではなくすぐに手術を選択するべきとされています。治りが悪いと感じたら、早めに担当の医師に相談して治療法を見直しましょう。

さらに詳しく:ボーエン病で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?監修医師初岡 佑一日本医科大学付属病院形成外科 形成外科

ボーエン病の場合、日常生活で気をつけることはありますか?

過度の日光(紫外線)を浴びるのを避けることが挙げられます。また、疑わしい症状の早期受診も大切です。

【紫外線対策の徹底】

ボーエン病などの皮膚がんを防ぐために、日常生活で最も気をつけるべきことは、過度の日光(紫外線)を浴びないようにすることです。
外出時は帽子や日傘、日焼け止めなどを活用し、しっかりとした紫外線対策を心がけましょう。

【早期発見・早期治療の重要性】

ボーエン病は、放置すると皮膚の深い組織にまで進行する危険性があります。そのため、がんへの進行を防ぐには、早期の病変を見逃さず、適切に治療することが非常に大切です。
治りにくい湿疹のような症状や、皮膚に長期間続く赤みや炎症などがある場合は、自己判断で放置せず、早めに皮膚科などの専門医に相談して治療を受けましょう。

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ボーエン病に関連するその他の質問

ボーエン病の病変が広がることはありますか?

はい、ボーエン病の病変は放置すると少しずつ広がり、手のひらサイズ以上に大きくなることもあります。

【病変の広がり】

ボーエン病の初期は米粒ほどの小さなサイズですが、放置すると少しずつ範囲が広がっていきます。手のひらぐらいの大きさや、さらに大きくなることもあります。

【湿疹との違いに注意】

見た目は普通の湿疹にとてもよく似ていますが、湿疹の薬を塗ってもよくならず、徐々に広がっていくのが特徴です。治りにくい湿疹がある場合は注意が必要です。

【進行した場合の危険性】

さらに放置して進行すると、がん細胞が皮膚の表面(表皮)だけでなく、奥深くの組織(真皮)にまで侵入します。この状態になるとリンパ節や内臓に転移する危険性が出てきます。

さらに詳しく:ボーエン病の病変が広がることはありますか?監修医師初岡 佑一日本医科大学付属病院形成外科 形成外科

ボーエン病は人から人へうつりますか?

ボーエン病そのものは、通常は人にうつりません。

【うつる?】

ボーエン病は、皮膚の表面にとどまる皮膚がんの初期段階で、普通は人から人へうつる病気ではありません。

【なぜ誤解される?】

見た目が湿疹や感染症に似ることがあり、心配になることがあります。ですが、触れたこと自体でうつる病気ではありません。

【注意点】

ただし、陰部にできる一部の似た病気は、HPVというウイルスが関係し、うつることがあります。これはボーエン病と似て見えても、別の病気として扱われることがあります。

【受診の目安】

長く治らない赤みやカサつきがあれば、皮膚科で確認してください。

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ボーエン病について、医師からのよくある質問

医師からよくある質問はありますか?

「ボーエン病」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。

  • 肌が茶色になっている部分がありますか?
  • 肌の表面がカサカサしてパラパラこぼれ落ちていますか?
  • 皮ふに赤いブツブツがありますか?あるいは皮ふが赤くなっていますか?

ボーエン病に関連する症状としては次の症状があります

特に関連する症状

次のような症状がある方はご注意ください。

肌が茶色になっている部分がある
症状の経過
だんだん大きくなっている
自覚した時期
1か月以上前から
肌の表面がカサカサしてパラパラこぼれ落ちている
自覚した時期
1か月以上前から
症状の経過
改善も悪化もしていない

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この記事の監修医師

監修医師 阿部 吉倫

阿部 吉倫

内科

2015年東京大学医学部医学科卒。東京大学医学部付属病院、東京都健康長寿医療センターで初期研修を修了。血便を放置し48歳で亡くなった患者との出会いをきっかけにデータサイエンスの世界へ。2017年5月にUbie株式会社を共同創業。2019年12月より日本救急医学会救急AI研究活性化特別委員会委員。2020年 Forbes 30 Under 30 Asia Healthcare & Science部門選出。

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2023/01/25
公開日
2020/09/03