睾丸が痛い
監修医師秋元 隆宏東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科 泌尿器科
- 更新日
- 2026/05/28
- 公開日
- 2023/12/25
概要
睾丸が痛い場合、精巣上体炎や精索静脈瘤、精巣捻転などが原因として考えられます。精巣捻転は発症から6時間以内の処置が精巣温存に重要とされており、急な激痛や陰嚢の腫れを伴う場合は緊急のサインのため、速やかに泌尿器科を受診してください。
精巣の痛み(睾丸痛)とは
「精巣の痛み(睾丸痛)」とはどのような症状ですか?
精巣(精巣)や陰嚢に痛みを生じる症状です。
男性の陰嚢(いんのう:たまのふくろ)の内部には、精子や男性ホルモンを作る精巣(睾丸)があり、精巣の痛みは精巣やその周囲の炎症などによって起こります。
お子さんからご高齢の方まで起こる可能性がありますが、頻度はそれほど多くはありません。
ただし、痛みが強い場合や、吐き気や発熱、陰嚢の腫れといった症状を伴う場合などは、精巣捻転や怪我、精巣上体炎など早めに治療を受けるべき病気もあるため、気になる痛みがあれば早めに泌尿器科を受診することが重要です。
精巣の痛み(睾丸痛)の原因
精巣の痛み(睾丸痛)の原因や考えられる病気には何がありますか?
精巣捻転や精巣上体炎、精巣をぶつけた(怪我)などがあります。
精巣の痛みは、精巣やその周囲の臓器の血流が急に途絶えるか、炎症などが起こって生じます。
その原因として、以下のような病気が挙げられます。
受診の目安・何科を受診するべきか
精巣に痛みを生じる病気の中で、緊急性の高い病気は何がありますか?
精巣捻転や精巣破裂などが挙げられます。
緊急性の高い病気として、以下のような病気が挙げられます。
精巣捻転
精巣に血流を送る血管が捻じれる急性の病気です。放置すると精巣が壊死し、不妊症につながる可能性があります。検査および治療のために、緊急で手術をすることが多いです。
詳しくはこちらのリンクをご参照ください。
精巣の怪我、精巣破裂
事故やコンタクトスポーツなどで精巣に強い力が加わると、精巣が損傷し、陰嚢内(たまのふくろの中)で出血することがあります。損傷の程度によって手術が必要になります。
鼠径ヘルニアの陰嚢内嵌頓
腸が陰嚢内に脱出することがあり、はまり込んだ腸が捻じれた場合などに腸の血流が遮断され壊死しする急性の病気です。手術が必要になることがあります。
フルニエ壊疽
陰部に細菌感染が急速に広がる病気で、早急に手術で感染して壊死した組織を切除しないと致命的になる病気です。
精巣の痛み(睾丸痛)がある場合、何科を受診したらよいですか?また、受診の目安はありますか?
泌尿器科を受診しましょう。特に、急激に痛む場合や、発熱などがある場合、繰り返す場合は受診を検討してください。
精巣の痛み(睾丸痛)は泌尿器科の病気が原因のことが多いため、泌尿器科を受診しましょう。
また、以下のような症状がある場合は、放置すると危険な病気の可能性があるので、受診を検討しましょう。
- 急に痛み出した
- 痛みが強い、徐々に強くなっている
- 触ると痛みが強くなる
- 吐き気がある
- 陰嚢(いんのう:たまのふくろ)が赤い、腫れている
- 熱がある
検査・診断
精巣に痛みを感じた場合、どのような検査をしますか?
超音波検査や血液検査、尿検査などを行います。
精巣の痛みをきたす病気の中で比較的多い精巣捻転や精巣上体炎などの診断を目的に、医療機関では以下のような検査をします。
超音波検査
精巣の内部構造や血流が保たれているかをリアルタイムで見ることができます。
血液検査
炎症反応や腎機能などを評価することができます。
尿検査
細菌尿や膿尿などがないか評価することができます。
他の画像検査
血種や虚血の範囲をより詳細に調べるために、症状などに応じて、MRI検査やCT検査を行うことがあります。
手術
精巣捻転の可能性が極めて高いものの、血流が少しだけある場合など、精巣を肉眼的に確認して診断と同時に治療をする目的で、手術をすることがあります。
精巣の痛み(睾丸痛)の治療
精巣の痛み(睾丸痛)の治療や予防方法には何がありますか?
原因に応じて手術や薬による治療があります。一般的に確立された予防法はありません。
精巣の痛み(睾丸痛)の治療
精巣の痛み(睾丸痛)の原因に応じて、手術や薬物治療を行います。
手術療法
精巣捻転や精巣の怪我、その他の緊急性のある病気が原因の場合は、外科的に治療をしないと悪化を止められない場合があります。
薬物療法
- 抗菌薬
- 解熱鎮痛薬
陰嚢内の感染が原因で「精巣の痛み」が起こる場合は、原因菌に合わせた抗菌薬を使います。痛みが強い場合は、解熱鎮痛薬などを使用することがあります。
精巣の痛み(睾丸痛)の予防方法
確立された予防方法はありませんが、個々の病気によっては予防につながる方法があります。
精巣捻転の予防
精巣捻転になりやすい特徴がある場合は、以下の治療が考えられます。なりやすい人の詳細は「精巣捻転になりやすい人はいますか?」をご参照ください。
- 片方が精巣捻転になった場合は、対側の精巣にも精巣固定術をする
- 停留精巣の治療をする
精巣上体炎の予防
精巣は精管を通して尿の通り道と一部交通しているため、前立腺炎や尿道炎などを起こす菌や、性感染症を起こす菌が原因で、精巣上体炎になることがあります。そのため、以下のことは予防につながる可能性があります。
精巣の痛み(睾丸痛)に関連する病気・症状
この記事の監修医師
秋元 隆宏 先生
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科 泌尿器科
【経歴】 東北大学医学部医学科 卒業 三井記念病院 臨床研修 三井記念病院 泌尿器科 東京大学医学部付属病院 泌尿器科・男性科 自治医科大学 腎泌尿器外科学講座 泌尿器科学部門 病院助教 琉球大学医学部システム生理学講座 東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学
- 更新日
- 2026/05/28
- 公開日
- 2023/12/25