在宅ワークで体脂肪が増えてしまいました。座りっぱなしでもできる対策を教えてください
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在宅ワークで体脂肪が増えてしまいました。座りっぱなしでもできる対策を教えてください

小鷹 悠二監修者

おだかクリニック 循環器内科 副院長

小鷹 悠二

在宅ワークではオフィス勤務と比べて座っている時間が1日30分以上増え、歩数が約2,500歩減る傾向があると報告されています。こまめに立ち上がる習慣を作ることが対策の第一歩です。

在宅ワークで体脂肪が増えやすい理由|活動量の大幅な低下

在宅ワーク(テレワーク・リモートワーク)ではオフィス勤務と比べて、座っている時間が1日30分以上増え、1日の歩数が約2,500歩減少するという系統的レビュー・メタ分析の結果が報告されています。また、8時間以上座り続ける確率がオフィス勤務の約2倍に上昇し、座っている最中に立ち上がる回数(座位中断)も約2回少なくなることが示されています[BMC Public Health. 2025;25:3963.]。

通勤がなくなることで失われるエネルギー消費は、1日あたり200〜300kcal程度に相当するケースもあり、食事量が変わらなければ体脂肪の増加につながりやすいと考えられます。

座りっぱなしが体に与える影響

長時間座り続けることは、体脂肪の増加だけでなく、血糖値や中性脂肪の上昇にも影響する可能性があります。長時間の座位を軽い歩行で定期的に中断した場合、食後の血糖値が約17%、インスリン値も有意に改善したことがメタ分析で報告されています。一方、立つだけでは血糖値の改善は約9.5%にとどまり、インスリンには有意な効果がみられませんでした[Sports Med. 2022;52(8):1765-1787.]。つまり、ただ立つよりも「歩く」ことがより効果的と考えられています。

在宅ワーク中にできる体脂肪対策

在宅ワーク中の体脂肪対策は、大がかりな運動を始めるよりも、まず「座りっぱなしの時間を減らす」ことから始めるのが現実的です。30分〜1時間に1回、2〜5分程度立ち上がって軽く歩くだけでも、代謝への影響を軽減できる可能性があります。

具体的には、オンライン会議中に立って参加する、トイレに立ったついでに家の中を一周歩く、タイマーをセットして1時間ごとに立ち上がる、といった工夫が考えられます。さらに、始業前や昼休みに15〜30分程度のウォーキングを取り入れることで、通勤で失われた活動量を補うことも検討できます。

食事面では、在宅ワーク中は手軽に食べられるお菓子やスナックに手が伸びやすくなる傾向があります。間食をナッツ・ゆで卵・ヨーグルトなどの高タンパク・低糖質の食品に置き換えることで、エネルギーの過剰摂取を抑えやすくなる可能性があります。

在宅ワークの体脂肪対策のうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

在宅ワークの体脂肪対策のうえで日常生活の工夫について、3つのコツと内容、理由をまとめた表です。1つ目は「1時間ごとに立ち上がって歩く」で、内容は「タイマーを設定し、2〜5分程度歩くか、つま先立ち・スクワットなどの軽い運動を行う」ことです。理由は「座位を軽い歩行で中断すると食後血糖値やインスリンの改善が報告されている」からです。2つ目は「始業前や昼休みに15〜30分歩く」で、内容は「通勤時間の代わりに近所をウォーキングする時間を確保する」ことです。理由は「1日2,500歩の減少を補い、有酸素運動としての効果も期待できる」からです。3つ目は「間食を高タンパク食品に置き換える」で、内容は「お菓子やスナックをナッツ・ゆで卵・ヨーグルトに変える」ことです。理由は「糖質中心の間食を減らし、タンパク質の確保にもつながる可能性がある」からです。

特に重要とされるのは、「立つ」だけでなく「歩く」動作を取り入れることと考えられています。

ここだけは伝えたいメッセージ

在宅ワークでの体脂肪増加は、多くの方が経験する悩みです。まずは「1時間に1回立ち上がる」という小さな習慣から始めてみてはいかがでしょうか。完璧を目指す必要はありません。

ただし、在宅ワーク開始後に体重が5kg以上増えた場合、息切れやむくみが目立つようになった場合、健診で血糖値や脂質に異常が指摘された場合は、生活習慣病の初期段階の可能性があります。このような場合は、医療機関への受診をご検討ください。

まとめ:在宅ワークの体脂肪対策

  • 活動量の低下が主因: 在宅ワークでは座位時間が30分以上増え、歩数が約2,500歩減少する傾向が報告されています
  • 歩行での座位中断が有効: 軽い歩行で座位を定期的に中断すると、食後血糖値の約17%の改善が報告されています
  • こまめに立ち上がる習慣: 1時間に1回、2〜5分の歩行や軽い運動を行うことが推奨されます
  • 間食の見直し: 高タンパク・低糖質の食品への置き換えでエネルギー過剰摂取を抑えやすくなります
  • 受診の目安: 急な体重増加や健診での異常指摘がある場合は、医療機関への受診をご検討ください

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(参考文献)

Schöne C, Sauter M, Backé EM, et al. The impact of working from home on sedentary behaviour and physical activity compared to onsite work in the working population: a systematic review and meta-analysis. BMC Public Health. 2025;25:3963.
Buffey AJ, Herring MP, Langley CK, Donnelly AE, Carson BP. The Acute Effects of Interrupting Prolonged Sitting Time in Adults with Standing and Light-Intensity Walking on Biomarkers of Cardiometabolic Health in Adults: A Systematic Review and Meta-analysis. Sports Med. 2022;52(8):1765-1787.

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