

監修者おだかクリニック 循環器内科 副院長
秋は気温・湿度・気圧の変化が大きく、自律神経(体の内側から調整する神経)に負担がかかりやすい時期です。交感神経優位になり末梢の血管が収縮されることから、手足の冷えが引き起こりやすくなります。
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寒いと手足が冷えるのは、体温を守るため
秋になって手足が冷えやすくなる主な理由は、気温の低下に合わせて、皮膚を流れる血液の量が減るためです。血液には酸素や栄養だけでなく、体の中で作られた熱を運ぶ役割もあります。寒いときに皮膚へ流れる血液を減らすと、体の表面から逃げる熱を少なくできます。
この調節を担うのが、体の働きを自動的に整える「自律神経」です。そのひとつである交感神経が皮膚の血管を縮め、体の中心部の温度を保とうとします。その結果、指先や足先に届く熱が減り、冷たくなります。これは健康な人にも起こる、体を守る自然な反応です。皮膚の血流が減っても、それだけで全身の血液循環が悪くなったという意味ではありません。
季節の変わり目は、気温に合わせた調節が必要
秋は日中に暖かくても、朝晩には冷え込む日が増えます。夏と同じ薄着で過ごしていると、冷たい空気にさらされ、手足の血管が縮みやすくなります。また、皮膚が直接冷やされること自体も、その場所の血管を縮める方向に働きます。
つまり、秋の冷えは「季節が変わるから血流が悪くなる」というより、周囲の温度に応じて体が血流を調節した結果と考えるとわかりやすいでしょう。冷えだけで「自律神経が乱れている」「血管が詰まっている」とは判断できません。暖かい場所で休み、保温すると改善するかも確認しましょう。
対策の基本は、手足と体全体の保温
まずは靴下や手袋に加え、上着などで体全体を温かく保ちましょう。重ね着なら、日中に暖かくなったときにも調節できます。朝晩の外出には羽織るものを用意し、室内でも寒さを我慢しないことが大切です。汗で衣類が湿ったら着替えるなど、冷えにつながる状況を減らします。
寒さで指先の血流が極端に減る「レイノー現象」の診療でも、寒冷刺激を避けることが基本とされています。また、喫煙は血管を縮めるため、禁煙が重要です。 ただし、こうした生活対策について、一般的な冷えに対する改善効果を、すべて大規模な臨床試験で確認できているわけではありません。
色の変化や痛みがあるときは受診を
指が白色や青紫色に変わり、しびれや痛みを繰り返す場合は、レイノー現象が考えられます。背景に別の病気が隠れていることもあるため、内科に相談してください。片足だけ冷たい、歩くとふくらはぎが痛くなり、休むと治る、足の傷が治りにくい場合も、動脈の血流を調べる必要があります。
特に、片側の手足が突然冷たくなり、強い痛みや感覚の低下、動かしにくさを伴う場合は、すぐに救急受診してください。 血管が急に詰まった可能性があり、温めて様子を見ることは避けましょう。
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(参考文献)
Mäkinen TM, Mäntysaari M, Pääkkönen T, et al. Autonomic nervous function during whole-body cold exposure before and after cold acclimation. Aviat Space Environ Med. 2008;79(9):875-82.
日本循環器学会・日本血管外科学会.2022年改訂版 末梢動脈疾患ガイドライン.https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/03/JCS2022_Azuma.pdf.(参照 2026-09-24).







