鳩胸の場合、主にどのような治療をしますか?

鳩胸の治療は、経過観察、装具による矯正、低侵襲手術、および開胸手術の4つが主に選択されます。

鳩胸の治療法は、変形の程度、胸壁の硬さ、そして患者さんご自身の治療に対する意欲によって選ばれます。

【非手術治療】

軽度で安定している場合や、外見の変化を気にしない場合は経過観察が可能です。 現在、多くの施設で第一選択肢として推奨されるのは、コルセットのような装具(ブレース)を使った矯正です。
これは、装具で突出した部分を継続的に圧迫し続けることで胸の形を治す方法です。手術のリスクを避けられる信頼性の高い治療ですが、成功率が高いのは、患者さん自身が長期間、装具を装着し続ける強いやる気(コンプライアンス)がある場合に限られます。年齢が高い(胸壁が硬い)、または変形が非対称な場合は、装具治療の失敗率が高くなる傾向があります。

【手術治療】

装具治療で効果がない場合や、重度で胸壁が硬い変形に対しては手術が検討されます。

  • 低侵襲手術(アブラムソン法):これは、埋め込み式の金属バーを突出した胸骨の前に通し、内側に押し込む手術です。従来の開胸手術に比べて、傷跡が小さく、肋軟骨を切除しないため体への負担が少ないのが大きな利点であり、現在、外科的治療の主流となりつつあります。
  • 開胸手術(ラビッチ法):軟骨を切除して矯正する伝統的な手術法です。胸の前面に大きな傷跡が残るため、主に硬直性が高い、あるいは極めて重度で非対称性の変形に対して限定的に行われます。
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日本医科大学付属病院形成外科 形成外科

初岡 佑一 監修

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