肩関節脱臼は自分で治せますか?
肩関節脱臼では、神経や血管を傷つけている可能性があります。自分で脱臼を治そうとして神経や血管をより強く傷める場合もあるため、整形外科を受診しましょう。
スポーツや転倒などがきっかけで肩へ強い力が入ることで肩関節は脱臼を起こします。同様に骨折や靭帯損傷などの他の怪我をする可能性もあり、少し動かすだけでも強い痛みを感じる点では脱臼も骨折も共通しているため、判別が困難です。骨折の場合には、脱臼を治すつもりで腕を動かすことで余計に骨折が重症化する場合があります。
また、骨折ではなく肩関節の脱臼だった場合でも、脱臼する勢いや方向によっては神経や血管を傷つけている場合があり、特に「腋窩(えきか)神経」という肩から腕のまわりを通る神経は傷つきやすいとされています。整復する方向を間違えると神経や血管の損傷を重症化させる可能性があり、自身での処置は危険です。
肩の関節は脱臼を繰り返すたびに脱臼しやすくなります。再度の脱臼を予防していくためには、脱臼後の病院での固定処置や日常生活の注意が必要で、正確な診断と治療を受けることが重要です。そのため、肩関節脱臼が疑われる場合には、放置せずに整形外科を受診しましょう。医師の指導のもとであれば、慣れてきて、簡単に自分で元の位置に戻せるようになる場合もあります。
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最終更新日:
山田記念病院 整形外科 整形外科部長
濱畑 智弘 監修
(参考文献)
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