腹圧性尿失禁の原因は何がありますか?
加齢や肥満、出産、お腹の手術などで、尿を溜め続けるために必要な筋肉が弱まることが原因です。
腹圧性尿失禁の原因は、尿道を締める筋肉(尿道括約筋)や骨盤を支える筋肉(骨盤底筋群)などの働きが弱くなることです。
代表的な原因
- 加齢
- 肥満
- 妊娠・出産
- お腹の手術、放射線治療
- 過度に腹圧がかかる運動(スポーツ)
- 骨盤臓器脱(膀胱瘤、子宮脱)
具体的なメカニズム
具体的なメカニズムは、尿道括約筋不全と尿道過可動の2つに分けるとわかりやすいです。
尿道括約筋不全
尿道括約筋不全とは、尿道を締める筋肉が弱まることです。膀胱の出口や尿道には、排尿しない時(尿を溜めている時)に尿漏れを防ぐための筋肉(尿道括約筋)があります。この筋肉が傷ついて尿道を締める力が弱まると、お腹に力が入った時に尿が漏れやすくなります。
尿道過可動
尿道過可動とは、本来固定されている膀胱や尿道の位置がさまざまな理由で移動してしまい、尿道括約筋が機能しにくい状態になってしまうことです。膀胱や尿道の周りには複数の筋肉や靱帯(骨と骨をつなぐ構造)が存在し、臓器を正常な位置に保っています。これらの組織が緩み、膀胱や尿道の位置がずれてしまうことで、尿道括約筋がうまく働きにくくなります。
以前は腹圧性尿失禁の主な原因は尿道過可動であると言われていましたが、近年では上記の2つの原因がさまざまな割合で共存していると考えられています。
公開日:
最終更新日:
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
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