腹圧性尿失禁の場合、主にどのような治療をしますか?

重症度に応じて減量や骨盤底筋のトレーニング、薬物治療、手術などを行います。

解説

腹圧性尿失禁の治療としては以下のようなものが挙げられます。

行動療法

減量

肥満や体重の急激な増加が腹圧性尿失禁の原因となっていることがあるため、そのような場合には減量を行います。

骨盤底筋群のトレーニング(骨盤底筋体操)

腹圧性尿失禁は骨盤にある筋肉が弱くなることによって起こるため、これらの筋肉をトレーニングすることで症状の改善が期待できます。
詳しくは以下をご参照ください。

薬物療法

喘息の治療などにも使われるクレンブテロール(スピロペントⓇ)という薬は、腹圧性尿失禁に対して保険適用があります。また、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などの漢方薬が用いられることもあります。

手術療法

行動療法や薬物療法の効果が不十分な場合、手術が考慮されます。女性の場合、術式にはいくつかのバリエーションがありますが、メッシュ素材のテープなどを使って尿道を支えるようにするものが代表的です。男性で前立腺がん術後にしばらくしても治らない腹圧性尿失禁がある場合、膀胱の出口のあたりに尿道を締まりやすくする機械を埋め込む手術もあります。

その他

骨盤臓器脱(膀胱瘤、子宮脱)があり、腹圧性尿失禁が続く場合は、手術の他にシリコン製のリング状の器具(ペッサリー)などを腟に入れて、膀胱や子宮を本来の位置に戻すこともあります。

公開日

最終更新日

東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科

秋元 隆宏 監修

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(参考文献)

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