乾癬ではどのような検査を行いますか?
皮膚の状態の視診に加え、皮膚の一部を採取して顕微鏡で調べる皮膚生検を行うことがあります。関節の症状がある場合はX線などの画像検査も実施されます。
乾癬の診断で行う検査とは
乾癬を確定診断できる単一の検査はありません。まず、医師が皮膚の状態を目で見て診察する「視診」を行い、皮疹(ひしん:皮膚にできる赤みやぶつぶつなどの総称)の形・色・分布を確認します。視診だけでは診断が難しい場合には、下記のようなさらに詳しい検査を追加します。
乾癬の皮膚生検(病理組織検査)
皮膚生検とは、皮疹の一部を局所麻酔下に小さく切り取り染色した皮膚に、何が起きているかを顕微鏡で観察する検査です。乾癬では、表皮(皮膚の最も外側の層)が異常に厚くなる変化や、炎症を起こす細胞の集まりといった特徴的な所見がみられます。見た目が似ている他の皮膚疾患と区別するためにも、皮膚生検は重要な検査のひとつです。
乾癬の血液検査と合併症のスクリーニング
乾癬の患者さんは、メタボリックシンドロームを合併しやすいことが知られています。そのため、以下のような項目を血液検査などで確認します。
これらの検査は、乾癬そのものの診断だけでなく、全身の健康状態を把握するために行われます。
乾癬性関節炎が疑われるときの画像検査
乾癬の患者さんの一部では、関節に痛みや腫れが生じる「乾癬性関節炎」を合併することがあります。関節症状が疑われる場合は、以下の画像検査を追加します。
- X線(レントゲン)検査:骨の変形や破壊がないかを確認
- 超音波検査(エコー):腱や靱帯の付着部の炎症(付着部炎)を調べる
- MRI検査:関節や周囲の組織の炎症を詳しく評価する
乾癬の治療前に行うスクリーニング検査
生物学的製剤や分子標的薬などの全身治療薬を使用する場合は、治療開始前にスクリーニング検査が必要です。具体的には以下の検査を行います。
- 結核の検査(胸部X線やCT検査、血液検査)
- B型・C型肝炎ウイルスの検査
これらは、治療によって免疫の働きが変化し、感染症が悪化するリスクを事前に確認するために実施されます。気になる症状がある場合は、早めに医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
日本皮膚科学会.“Q10どんな検査をしますか?”.皮膚科Q&A.https://qa.dermatol.or.jp/qa14/q10.html,(参照 2026-07-23).
日本皮膚科学会乾癬性関節炎診療ガイドライン作成委員会.“乾癬性関節炎診療ガイドライン2019”.日本皮膚科学会.https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/PsAgl2019.pdf,(参照 2026-07-23).
日本皮膚科学会乾癬分子標的薬安全性検討委員会.“乾癬における生物学的製剤の使用ガイダンス(2022年版)”.日本皮膚科学会ガイドライン.https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/kansen2022.pdf,(参照 2026-07-23).
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大阪府済生会泉尾病院 皮膚科
野村 祐輝 監修
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