血管性浮腫(クインケ浮腫)の治し方について教えてください。
アレルギーや炎症を抑える薬で、発作時の治療や予防を行います。
血管性浮腫の治し方について、発作時と予防にわけて以下に記載します。
発作時の治療
アレルギーの反応を抑えるために以下のような薬を使用します。
- ステロイド
- 抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬など)
また、遺伝性血管性浮腫の場合には以下のような薬が使用されます。いずれも血管性浮腫を引き起こす物質の働きを弱めます。
- 選択的ブラジキニンB2受容体拮抗薬イカチバント(フィラジルⓇ)
- C1-インアクチベーター製剤(ベリナートⓇ)
また、舌やのどの奥が腫れて、窒息してしまうような重症の発作時には、人工呼吸器を使用したり、アドレナリンの注射を使ったりすることがあります。
発作予防のための治療
もし、血管性浮腫を引き起こす原因が特定できている場合には、それを避けるようにします。原因が特定できておらず、発作の程度が強い、頻度が多い場合には、以下のような薬を使用します。
- 抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬など)
また、遺伝性血管性浮腫の場合には以下のような薬が使用されます。
- C1-インアクチベーター製剤(ベリナートⓇ)
- 完全ヒト型抗ヒト血漿カリクレインモノクローナル抗体ラナデルマブ(タクザイロⓇ)、血漿カリクレイン阻害剤ベロトラルスタット(オラデオⓇ)
- 抗プラスミン剤トラネキサム酸(トランサミンⓇ)※
- 子宮内膜症・乳腺症治療剤ダナゾール(ボンゾールⓇ)※
※トラネキサム酸とダナゾールは保険適用外となります。
また、薬以外に日常的に気をつけることについては以下のQ&Aも参考にしてください。
公開日:
最終更新日:
東日本橋内科クリニック 循環器内科 院長
白石 達也 監修
(参考文献)
堀内孝彦 et al. 遺伝性⾎管性浮腫(Hereditary angioedema:HAE)診療ガイドライン 改訂 2023 年版. 日本補体学会学会誌「補体」. 2023, 60, p.103-131.
R.J. Memon, et al. StatPearls [Internet]. 2023.
Bruce Zuraw, MD.“An overview of angioedema: Clinical features, diagnosis, and management”.UpToDate.https://www.uptodate.com/contents/an-overview-of-angioedema-clinical-features-diagnosis-and-management#H25,(参照 2024-01-31).
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