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特発性肺線維症とは何ですか?
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
渡邉 アヤ 監修
原因不明の間質性肺炎のうちの1つです。進行性の病気であり、完治する治療は見つかっていません。
解説
特発性間質性肺炎とは
間質性肺炎の中でも原因が全く認められないものを特発性間質性肺炎と呼び、9つの病型(タイプ)に分けられます。この9つの病型のうち、最多で約半数を占める病型が「特発性肺線維症」です。
特発性肺線維症では、肺胞上皮細胞(肺胞を構成する成分の1つ)の慢性的な傷害が、肺の線維沈着に繋がっていると考えられています。
特発性肺線維症の発症リスクをもたらす要因としては、遺伝、喫煙、加齢などがあります。
発症後の経過
診断後の平均生存期間は報告により幅がありますが、約3年~5年と言われます。
ただし、軽い病状で長期に安定する場合もあれば、急速に進行する場合もあり、一概には言えません。
また、経過中に肺がんを発症することも少なくありません。
特発性間質性肺炎の治療について
特発性肺線維症は基本的にゆっくりと進行する病気で、完治に繋がる治療法は見つかっていません。
ステロイド薬が効果を持たない一方、抗線維化薬が有効ですが、治療目標があくまで「病気の進行を遅らせること」であることには留意する必要があります。
関連する病気と症状
(参考文献)
「ユビー」でわかること
ほかの間質性肺炎・肺線維症の質問
間質性肺炎・肺線維症とはどのような病気ですか?
肺胞と肺胞の壁(肺胞壁)に炎症が起こったり、線維化して壁が厚くなったりすることで、体内に酸素を取り入れにくくなる病気です。
間質性肺炎と肺線維症は違う病気ですか?
間質性肺炎のうち、肺の線維化が進行したものを肺線維症と呼びます。
間質性肺炎・肺線維症の原因は何ですか?
アレルギー反応や自己免疫性、薬剤、放射線曝露などです。中には原因の特定できない間質性肺炎もありますが、遺伝・喫煙・加齢などが発症リスクとして知られています。
間質性肺炎を放置するとどうなりますか?
症状(咳や息切れ)が進行していくことが多いです。進行すると肺で十分な酸素を取り込めなくなり(呼吸不全)、酸素吸入が必要になることもあります。
間質性肺炎・肺線維症の寿命はどのくらいですか?
病型によりさまざまですが、平均で数年以内のものもあれば、余命には影響しないものもあります。
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