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逆流性食道炎を放置するとどうなりますか?
新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器科
吉岡 藍子 監修
吐血の原因になるほか、食道がんが発生しやすくなるおそれがあります。
逆流性食道炎で食道の炎症がひどくなると、出血して吐血を起こすことがあります。
また、程度がひどい食道炎や繰り返し食道炎が治る過程で食道の粘膜が胃の粘膜に置き換わる「バレット食道」という状態になることがあります。
バレット食道には食道がんができやすいことが報告されています。
逆流性食道炎がバレット食道に進行するのはごく一部のケースとされていますが、近年は食生活の欧米化などにより患者数が増加しているため、注意が必要です。
逆流性食道炎の痛みが改善しません。タケキャブを追加で飲んでも良いですか?
家族が逆流性食道炎と診断され、タケキャブを朝食後に1錠飲んでいますが、痛みが改善しません。追加で飲むことはできませんよね?他に対処法や薬はありますか?また、痛み止めのカロナールを飲んでも大丈夫でしょうか?他の病院に行くべきかなど、アドバイスをお願いします。
80代 / 女性
ご相談ありがとうございます。ご家族様の逆流性食道炎の症状が改善しないこと、大変心配ですね。
追加で飲むことは避けましょう
まず、タケキャブ(ボノプラザン)は逆流性食道炎の治療に用いられる薬で、通常は1日1回の服用が推奨されています。追加で飲むことは医師の指示なしには避けるべきです。
痛みが続く場合の対処法や追加の治療法について
生活習慣の見直しが重要
食事の後すぐに横にならない、食事の量を減らす、脂っこい食べ物や刺激物を避けるなどの工夫が効果的です。また、寝るときに頭を少し高くすることも逆流を防ぐ助けになります。
薬物療法について
タケキャブ以外にもプロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2ブロッカーなどの薬があり、医師と相談して変更や追加を検討することができます。
カロナール(アセトアミノフェン)は一般的に胃に優しい痛み止めですが、逆流性食道炎の痛みには直接的な効果は期待できないかもしれません。医師に相談してから服用することをお勧めします。
胃カメラについて
また、症状が改善しない場合や悪化している場合は、再度医師に相談し、必要に応じて胃カメラ(内視鏡検査)を受けることが重要です。胃カメラは食道や胃の状態を直接確認できるため、他の疾患がないかを確認するためにも有用です。特に、食道がんや胃がんなどの重篤な疾患の早期発見に役立ちます。 しかし、一度胃カメラをされたとのことで、症状に変化がないとのことであれば再度の胃カメラはせずに薬の調整だけをしてくれる場合もありますので、医師に相談してみましょう。他の病院にかかる場合も前回の胃カメラの結果をもとに判断してくれる可能性もあるかもしれないので胃カメラを受けた病院と新しい病院の医師に相談してみると良いでしょう。
まとめ
追加でタケキャブを飲むことは避け、医師に相談して他の薬や治療法を検討することが重要です。生活習慣の見直しも効果的です。症状が改善しない場合は、再度医師に相談し、必要に応じて胃カメラを受けることが必要になる可能性があります。 お近くの消化器内科は、こちらから検索できますのでご活用ください。
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