「クリプトスポリジウム症」とはどのような病気ですか？

クリプトスポリジウム症とは、人の腸に感染するクリプトスポリジウムという原虫によって下痢などの症状を引き起こす感染症です。クリプトスポリジウムは寄生虫の一種で、主に水を介して感染します。
健康な人の場合、感染しても症状は軽く、下痢、腹痛を起こす程度で自然と回復することが多いとされています。しかし、HIV・エイズ（AIDS）などで免疫力が低下している人にとっては、重篤な下痢を引き起こし、場合によっては命にかかわることもあるとされています。
また、時に水道水の汚染によって集団発生することもあります。

クリプトスポリジウム症の診断は便検査で行われます。治療は、下痢によって脱水になってしまうことから、水分、栄養の補給を行います。下痢の程度が強い場合には、下痢止めの内服薬を用いることもあります。ニタゾキサニドという抗寄生虫薬が有効という報告もありますが、日本国内での発売はされていません。