尿道炎ではどのように抗生剤加療を行いますか?
淋菌、クラミジア、マイコプラズマなど原因菌によって使用する抗生剤は変わります。
適切な抗菌薬は原因菌によって異なりますが、原因が分かるまで検査に時間がかかります。
また、担当の先生の診断や地域の感染状況、耐性菌の蔓延状況などによって治療薬やその使用方法が異なります。
一般的なガイドラインでは、下記の薬剤の使用が挙げられています。
淋菌
- セフトリアキソン1gの単回投与(点滴で経静脈投与)、
- スぺクチノマイシン2gの単回投与(筋肉注射)耐性化がかなり進んでいるため、有効な薬が少ないです。2~3割の方がクラミジアも一緒に感染しており、しっかりと治療効果判定の検査が完了するまで治療する必要があります。
クラミジア
- アジスロマイシン1000mgを単回内服
- クラリスロマイシン200mgを1日2回、7日間、内服
- ミノマイシン100mgを1日2回、7日間、内服
- ドキシサイクリン100mgを1日2回、7日間、内服
- レボフロキサシン500mgを1日1回、7日間、内服
- トスフロキサシン150mgを1日2回、7日間、内服
- シタフロキサシン100mg を1日2回、7日間、内服
上記の薬などから、地域の感染状態を踏まえて検討されます。クラミジア尿道炎は症状が軽いことが多いため、治っているか検査で確認することが重要です。
マイコプラズマ
- アジスロマイシン1000mgを単回内服
- シタフロキサシン100mgを1日2回、7日間、内服
非クラミジア性非淋菌性尿道炎で重要な病原菌で、耐性菌が多く、治療失敗例が数多く報告されています。
症状はクラミジア尿道炎に似ているため、基本的にクラミジア尿道炎の治療をして効果がない時や、疑いが強く自費で検査した場合に、診断できます。治療薬は基本的には上記の通りですが、再発することもあり難治性と言われています。
トリコモナス
- メトロニダゾール250㎎を1日2回、10日間、内服
原虫の一種の寄生虫です。
非クラミジア性非淋菌性尿道炎の原因として重要で、パートナーの多くは腟トリコモナス症になっており、一緒に治療することが推奨されます。
上記治療薬はあくまで現時点での目安であり、担当の先生や耐性菌の蔓延状況、地域の状況によって治療薬は異なります。
公開日:
最終更新日:
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
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