喉頭がんの治療方法として、ステージごとにそれぞれどのようなものがありますか？

ガイドラインではそれぞれのステージの中でも治療方法のバリエーションがあるため、喉頭がんの治療方針は施設や患者さんの状況により大きく異なります。
以下では、喉頭がんの治療方針の一例を大まかに説明します。

ステージ1、 2の場合

早期の喉頭がんでは主に放射線治療を行います。放射線治療では喉頭を温存することができるため、声を出す機能を残すことができます。
ただし、粘膜炎、皮膚炎、嚥下障害（えんげしょうがい：飲み込みにくさ）、口腔乾燥、味覚障害などの副作用が多くの場合に現れます。

ステージ3、 4の場合

進行した喉頭がんでは主に化学放射線療法を行います。化学放射線療法では放射線治療の効果を高めるために、シスプラチンなどの抗がん剤を使用します。
粘膜炎、皮膚炎、嚥下障害、口腔乾燥、味覚障害など喉周辺の副作用に加えて、白血球減少に伴う感染症リスクの増加や食欲不振、倦怠感など全身の副作用が現れる場合があります。

いずれのステージの場合でも、喉や首のリンパ節に再発した場合には手術を行います。状況によっては喉頭をすべて取る「喉頭全摘術」が必要となる場合があります。