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機能性ディスペプシアの原因には何がありますか?
新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科
吉岡 藍子 監修
胃の機能の低下やストレス、生活習慣など、さまざまな原因が関わって発症すると考えられています。
解説
機能性ディスペプシアが発症する原因としては、以下のようなものが考えられています。
胃や十二指腸の動きの悪化
胃や十二指腸は「蠕動運動」といって、食べ物を腸へ送り出すために収縮と弛緩を繰り返しています。この動きが悪くなると、食べ物がうまく運び出されず、さまざまなお腹の症状が出てきます。
胃や十二指腸の知覚過敏
胃や十二指腸が知覚過敏を起こしていると、正常よりも少ない刺激(食べ物など)で症状が出てしまうことがあります。
心理的な影響
脳と消化管の間には「脳腸相関」という密接な関わりがあり、不安などを感じると消化管の動きや知覚にしばしば変化が起こります。これによって症状が出ることがあります。
胃酸の影響
胃酸がたくさん出ることで、胃や十二指腸が刺激され、症状が出ることがあります。
ピロリ菌感染
ピロリ菌に感染していると症状を感じることがあります。ピロリ菌感染が原因の場合、除菌すると症状が改善されます。
遺伝
遺伝の影響により、生まれつき症状が出やすい方もいます。
感染性胃腸炎の後
感染性胃腸炎にかかった後、感染そのものが終わってからも胃腸の症状が残る場合があります。
生活習慣の乱れ
飲酒や喫煙、暴飲暴食などの食習慣の乱れや、睡眠不足などによって症状が出ることがあります。
胃の形
もともとの胃の形によって症状が出やすい方もいます。
関連する病気と症状
(参考文献)
ほかの機能性ディスペプシアの質問
「機能性ディスペプシア」とはどのような病気ですか?
明らかな異常がないにもかかわらず、胃痛や胃もたれ、みぞおちの痛みといった症状を慢性的に感じる病気です。
機能性ディスペプシアの症状にはどのようなものがありますか?
胃の痛み、胃もたれ、食後の早期満腹感、灼熱感といった症状が見られます。
機能性ディスペプシアに対しては、主にどのような治療をしますか?
生活習慣の改善や食事療法が中心になります。消化管の動きを改善する薬や、胃酸を抑える薬、抗不安薬などの薬を使うこともあります。
機能性ディスペプシアが疑われる場合、何科を受診したらよいですか? また、病院を受診する目安はありますか?
胃の痛みや胃もたれ、みぞおちの痛みが慢性的に続いていれば、消化器内科を受診しましょう。
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