甲状腺クリーゼ

甲状腺の病気を持つ人が強いストレスを受けることで、複数の臓器の機能が低下する病気です。

甲状腺の病気を持っている人がなりやすく、手術や感染症などのストレスがきっかけとなって発症することがあります。

原因となる甲状腺の病気は、バセドウ病が97%を占めます。

感染症や手術、妊娠・出産、心臓や脳の病気などが原因となることが多いです。

複数の臓器の機能が障害され、命に関わる事態に発展する可能性があります。

甲状腺クリーゼを発症した方の約10％が亡くなると言われています。

バセドウ病の方は薬を忘れずに飲み、定期的に医師の診察を受けることが予防に繋がります。

高熱、意識がはっきりしない、脈が速くなるなどの症状が見られます。

発熱や嘔吐、下痢、意識がぼんやりするなどの症状が見られます。

心臓病や胃腸の病気、脳の病気と症状が似ていますが、発熱と併せて全身の症状が出ることが甲状腺クリーゼの特徴です。

もともと甲状腺の病気があり、発熱や意識がぼんやりするなど、疑わしい症状が現れた場合はすぐに受診しましょう。

もともと甲状腺の病気で通院されている場合はかかりつけ医を、かかりつけ医がない場合は最寄りの内科を受診してください。

血液検査で甲状腺ホルモンの高値を確認したうえで、症状を確認して診断します。

血液検査や心電図、レントゲン検査を行います。また、頭のCTやMRIを行うこともあります。

甲状腺の異常な働きを抑えるお薬を使った治療を行います。また、命に関わる危険もあるため、集中治療室で呼吸や血圧の管理を行います。

集中治療室で全身状態を安定させながら、薬による治療を行います。状態が落ち着いてくれば、一般病棟に移動し、後に退院となります。

治療薬を規則的に忘れずに飲むことが大切です。

甲状腺ホルモンの産出や分泌を抑える薬を飲んで治療をします。副作用として、稀に関節、肺、血管、肝臓の炎症を起こすことがあります。

状態が安定したら集中治療に使用した薬は終了できます。しかし、バセドウ病が原因の場合、甲状腺機能亢進症が十分に良くなるまで薬は飲み続けなくてはなりません。

薬で全身状態が安定しない場合は、人工心肺装置を使ったり、血しょう交換という治療を行ったりすることがあります。