間質性肺炎で抗がん剤治療ができません。緩和ケア以外の治療方法について教えてください。
80代・男性のご相談
この度は私たちを信頼してご相談いただき、心から感謝しています。間質性肺炎をお持ちの方の抗がん剤治療について、少しでもお役に立てればと思い、以下にご説明いたします。
「間質性肺炎があるために抗がん剤治療が難しいと聞きましたが、他に治療法はないのでしょうか?」
まず、どの臓器のがんかはご相談内容からは分かりませんでしたが、一般的な考え方をお伝えしますね。間質性肺炎をお持ちの方の抗がん剤治療については、特発性肺線維症(間質性肺炎の一番多いタイプ)の治療ガイドラインを参考にしています。ここでは、主に肺がんの治療を例にしていますが、他の臓器のがんにも共通する部分があります。
【がんの薬物療法】
大きく分けて、抗がん剤には「免疫チェックポイント阻害薬」「分子標的治療薬」「化学療法(殺細胞性抗がん剤)」の3つのグループがあります。それぞれについてお話ししますね。
・免疫チェックポイント阻害薬
まず、免疫チェックポイント阻害薬ですが、間質性肺炎をお持ちの方にはほとんど使用できないとされています。次に、分子標的治療薬は、がんの種類によっては使えるものがあるかもしれません。そして、化学療法については、特定の薬を避ければ慎重に使えることもあります。具体的には、免疫チェックポイント阻害薬は、間質性肺炎の方には推奨されていません。例えば、ニボルマブという薬は多くのがんに使われますが、肺障害のリスクが高いため注意が必要です。
・分子標的治療薬
分子標的治療薬については、特定の遺伝子異常がある場合に効果が期待できる薬があります。ただし、肺障害のリスクが高いものもあるため、慎重な判断が求められます。
・「化学療法(殺細胞性抗がん剤)
化学療法については、間質性肺炎をお持ちの方でも使える薬がありますが、特定の薬は避ける必要があります。例えば、イリノテカンなどは使用できません。
このように、抗がん剤の選択は慎重に行う必要がありますので、具体的ながんの情報をいただければ、より詳しいアドバイスができるかと思います。少しでもお役に立てれば幸いです。何か不安なことや疑問があれば、いつでもご相談くださいね。あなたの力になれるよう、私たちはここにいます。
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