冠れん縮性狭心症治療中、胃痛と食欲減退があります。再検査が必要ですか?
50代・女性のご相談
ご相談いただきありがとうございます。冠れん縮性狭心症と診断されてから、心臓のお薬を飲み始めて、ゲップや胃の痛み、食欲が落ちて体重が減るなどの症状が出ているとのことですね。スキルス胃がんの可能性について心配されているのも無理はありません。
2週間前に胃カメラの検査を受けて、ガンや腫瘍は見つからなかったとのことですし、1年前の検査でも異常はなかったようですね。これらの結果から、現時点でスキルス胃がんの可能性は低いと考えられます。もし胃がんが原因であれば、胃カメラで確認できる状態になっていることが多いです。スキルス胃がんを含む胃がんは、初期には症状が出にくいことが多いです。
今の症状は、心臓のお薬の副作用かもしれません。この薬は冠れん縮性狭心症の治療に使われますが、消化不良や胃の痛み、食欲不振などの副作用が出ることがあります。報告によると、消化器系の症状は0.1-5%の頻度で起こるようです。
また、漢方薬を飲んでいるとのことですが、漢方薬も体質によっては副作用が出ることがあります。
他にも、逆流性食道炎や機能性ディスペプシアの可能性も考えられます。逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流して胸やけや胃の痛みを引き起こします。見た目に変化がなくても症状が出ることがあります。機能性ディスペプシアは、胃の動きや消化機能に問題があることで、胃の痛みやお腹の張り、食欲不振を引き起こします。
【次のステップ】
- 心臓のお薬と漢方薬の服用を中止できるか、処方してくれた医師に相談してみましょう。中止後に症状が改善するか様子を見てください。改善すれば、薬の影響が考えられます。
- 心臓のお薬の副作用が疑われる場合は、他の薬に変更することも検討できます。冠れん縮性狭心症の治療薬には他にも選択肢がありますので、医師に相談してみましょう。
- 薬を中止しても症状が改善しない場合は、他の原因を考える必要があります。胃カメラ以外にも、腹部エコーなどの検査が必要になるかもしれませんので、消化器内科の医師に相談してください。
- スキルス胃がんの可能性が低いとはいえ、不安が残る場合は、他の医療機関でセカンドオピニオンを受けることも考えられます。その際は、これまでの検査結果や治療経過を持参すると良いでしょう。新たな視点が得られるかもしれません。
【まとめ】
胃カメラ検査で異常がなかったことや、短期間に2回検査を行っていることから、スキルス胃がんの可能性は低いと考えられます。心臓のお薬や漢方薬の副作用、逆流性食道炎や機能性ディスペプシアの可能性もありますので、まずは薬の服用を中止または変更し、症状が改善するか様子を見てください。改善しない場合は、他の原因を考えるために医師に相談し、必要であれば精密検査を受けることをお勧めします。どうかご自身の体を大切にしてくださいね。
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