胸膜中皮腫の治療方針と遺伝子パネル検査について相談させてください。
70代・女性のご相談
胸膜中皮腫と診断され、家族が治療を受けています。免疫療法を実施していましたが、副作用で肝臓に影響が出たため、治療を一時中断し、肝臓の治療を行っていました。その後、胸膜肥厚や胸の痛み、咳が現れ、化学療法を実施しましたが、ひどい薬疹と発熱が起こり、3週間の入院を余儀なくされました。現在、2回目の治療を予定しています。
治療の選択肢が限られ、体重や体力も減少しています。遺伝子パネル検査を希望していますが、担当医からは転院を勧められています。国立の専門機関への転院を考えていますが、現担当医への信頼もあり、迷っています。
どのように対処すれば良いのか、アドバイスをいただけると助かります。
ご相談いただきありがとうございます。ご家族の皆様が不安に感じていらっしゃること、お察しします。以下に、いただいたご質問についてお答えいたしますね。
【遺伝子パネル検査について】
遺伝子パネル検査は、多くの遺伝子の異常を一度に調べることができる検査です。この検査を受けるには、十分な量の腫瘍のサンプルが必要です。検査の結果、治療に役立つ薬が見つかる可能性は5〜20%とされています。具体的な例として、ヨーロッパの研究では、遺伝子パネル検査によって特定の遺伝子を標的にした治療が可能になったケースがあります。ただし、こうした結果が得られる可能性は高くはありません。検査を受けるために転院を考えていらっしゃるとのことですが、転院せずに検査を受けることもできるかもしれませんので、担当の先生と一度ご相談されると良いかと思います。
【治療の再開について】
免疫療法や化学療法で副作用が出たとのこと、大変でしたね。治療の再開については、副作用の重さによって判断されます。副作用が重い場合は、次回の治療で薬の量を減らすことがあります。また、肝臓に問題がある場合、治療の再開は慎重に考えられます。担当の先生が再開を検討しているのであれば、肝臓の状態が改善している可能性があります。
治療について不安なことがあれば、遠慮せずに担当の先生に質問してくださいね。少しでも安心して治療を受けられるよう、応援しています。何か他にご質問があれば、いつでもお知らせください。
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