冠攣縮性狭心症の可能性と治療について相談させてください。
50代・男性のご相談
最近、胸が締め付けられるような感覚があり、非常に気になっています。病院では異型狭心症の診断はまだ受けていませんが、冠攣縮性狭心症の疑いがあると言われています。現在、慢性蕁麻疹や不整脈の治療を受けており、橋本病と心房細動の診断も受けています。足のむくみや、しゃがんだりふくらはぎを圧迫すると不整脈が出やすいこともあります。
病院の勧めでニトロールスプレーを処方され、胸の締め付け感がある時に使用すると楽になります。しかし、本当に冠攣縮性狭心症なのか確信が持てず、投薬の判断に迷っています。検査にはカテーテルが必要で入院が求められますが、複数の会社を経営しているため、なかなか休む決断ができません。
この状況でどのように対処すれば良いのか、また本当に冠攣縮性狭心症なのかを知りたいです。アドバイスをいただけると助かります。
お忙しい中で体調のことが気がかりでいらっしゃること、本当に大変だと思います。胸の締め付け感が5年前から続いていて、最近処方されたニトロールスプレーが効いているとのことから、冠攣縮性狭心症(VSA)の可能性を指摘されて不安を感じているのですね。経営者として多忙な日々を送る中で、入院が必要な検査を受ける決断が難しいお気持ち、よく理解できます。
【冠攣縮性狭心症(VSA)の可能性について】
あなたの症状から、冠攣縮性狭心症(VSA)の可能性は考えられます。以下にその理由を簡単に説明しますね。
- 症状について:胸が締め付けられる感じや詰まった感じは、VSAの典型的な症状の一つです。特に、安静時や早朝、ストレスを感じた時に起こりやすいとされています。
- ニトロールスプレーの効果:ニトロールスプレーは血管を広げる薬で、VSAの発作時に使うと症状が改善することが多いです。スプレーが効くということは、VSAの可能性を高める重要なポイントです。
- 確定診断の必要性:ただし、症状やニトロールの効果だけではVSAと確定することはできません。確定診断には、心臓カテーテル検査が必要です。この検査では、動脈硬化による狭窄を除外し、薬を使って意図的に血管を狭くして症状が出るかを確認します。医師が入院での検査を勧めているのはこのためです。入院期間は2泊3日や1泊2日です。
【今後の進め方について】
お忙しい状況を考慮し、以下のステップを提案します。
1. 主治医との再相談
- 症状の詳細を伝える: いつ、どんな状況で胸の症状が出るのか、どのくらい続くのか、頻度はどのくらいかを主治医に詳しく伝えてください。
- 診断的治療の相談: 確定診断前でも、VSAの治療薬を試して症状の改善を見る方法もあります。ただし、疑いのままでは薬を減らすことが難しくなります。
- 入院・検査のタイミング: 入院が難しい現状を伝え、外来でできる最大限の評価や治療について相談しましょう。
2. 他の原因の検討
- 心房細動との関連: 現在治療中の心房細動が胸の症状に関係していないか確認が必要です。
- 橋本病との関連: 甲状腺機能が心臓の症状に影響を与えることがありますので、定期的にチェックしているか確認しましょう。
- その他の可能性: のどの圧迫感がある場合、胃食道逆流症やストレスによる症状の可能性も考慮しましょう。
3. セカンドオピニオンの検討
- 現在の主治医の説明に不安がある場合や他の意見を聞きたい場合は、セカンドオピニオンを求めることも有効です。
【まとめ】
胸の症状とニトロールの効果から冠攣縮性狭心症(VSA)は疑われますが、確定診断には入院での心臓カテーテル検査が必要です。お忙しい状況は理解していますが、VSAは時に心筋梗塞や危険な不整脈につながることもあるため、診断と適切な治療方針の決定は重要です。まずは主治医とよく相談し、症状の詳細な情報共有や外来で可能な検査、入院が必要な場合のタイミングについて納得いくまで話し合ってください。他の病気との関連についても確認が必要です。セカンドオピニオンも選択肢の一つとして考えてみてください。あなたの健康が最優先ですので、無理せずに進めていきましょう。
公開日:
相談日:
初めての方へ
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ