甲状腺機能低下症と診断済みですが、甲状腺機能亢進症の可能性はありますか?治療薬の影響についても教えてください。
60代・女性のご相談
ご相談いただきありがとうございます。下垂体腫瘍の手術を受けられたあとの甲状腺ホルモンの状態や症状、お薬についてのご心配、よく理解できます。特に甲状腺の状態や頭の痛みについて不安を感じていらっしゃるのですね。
まず、血液検査の結果についてお話ししますね。甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値が0.093 μIU/mLと少し低めです。このホルモンは脳の下垂体から出て、甲状腺ホルモンの分泌を助ける役割があります。TSHの値が低いと、甲状腺ホルモンが多く出ている可能性があり、これを「甲状腺機能亢進症」と呼びます。
ただし、手術からまだ1ヶ月しか経っていないことや、現在お薬を飲んでいることを考えると、TSHの値だけで判断するのは難しいです。手術後は下垂体のホルモン分泌が不安定になることもあります。そのため、TSHの値が変動することも考えられます。
「言葉が出てこない」という症状についてもお話ししますね。これは甲状腺の働きが低下している場合や、逆に亢進している場合にもみられることがあります。ほかにも、甲状腺機能低下では疲れやすさや体重増加、寒がり、便秘などが、亢進では動悸や息切れ、体重減少、暑がり、下痢などの症状が出ることがあります。
現在のお薬については、担当の先生の指示をしっかり守ることが大切です。自己判断でお薬をやめたり、量を変えたりしないようにしましょう。頭の痛みについても、ホルモンや手術の影響、または別の原因が考えられますので、症状が続く場合は必ず先生に相談してください。
【受診のおすすめ】
今の症状や治療について、担当の先生に直接相談してみましょう。以下の点を確認するとよいかもしれません。
- 甲状腺の状態について:手術やお薬の影響でTSHの値が変わっているのか、甲状腺に問題があるのか、詳しく診てもらいましょう。
- 頭痛の原因について:ホルモンや手術の影響、他の原因がないか、必要な検査を受けてみてください。
- お薬の見直し:お薬の種類や量、期間について、再度確認してみましょう。
【まとめ】
下垂体腫瘍の手術後の甲状腺の状態を評価するのは難しいこともありますが、専門の先生にしっかり診てもらうことが大切です。何か不安なことがあれば、遠慮せずに担当の先生に相談してくださいね。あなたの健康を心から応援しています。
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