心不全進行時の息苦しさと苦痛の緩和について相談させてください。
80代・女性のご相談
妻の母親の件でご相談があります。15年前に心筋梗塞を患い、ステントを1本入れた状態で、冠動脈の1本が閉鎖していましたが、内服通院で安定していました。最近、背部痛と全身発汗があり、救急搬送され、再度心筋梗塞と診断されました。緊急カテーテルでステントを1本追加しましたが、他の狭窄部位には石灰化と蛇行が強く、ステントを入れることができませんでした。
翌日、心不全の進行が伝えられ、薬物反応性が悪く、尿が出ない状態です。医師からは、3~4日が山場と説明されました。意識は清明ですが、全身に痛みがあります。現時点で呼吸困難はありませんが、心不全が進行した場合、挿管や人工呼吸を行うことは家族が望んでいません。
心不全進行時の息苦しさや苦痛の緩和について、鎮静剤や麻酔での対応を検討しています。担当医にお願いするべきか、アドバイスをいただけると助かります。
奥様のお母様のこと、とても心配されていることと思います。心筋梗塞を起こされて緊急の治療を受けられたと伺いました。心不全が進んでいるとのことで、ご家族としてはお母様が少しでも楽に過ごせるようにと願っていらっしゃるのですね。
【心不全の終末期について】
心不全が進むと、心臓がうまく働かなくなり、体に十分な血液を送れなくなります。そのため、息苦しさや疲れやすさ、むくみなどの症状が出ることがありますが、これらの症状は人によって異なります。
【息苦しさを和らげる方法】
息苦しさはとてもつらいものです。少しでも楽になるために、次のような方法があります。
- 酸素を吸うことで呼吸を楽にする
- 利尿剤で体の余分な水分を減らし、心臓の負担を軽くする
- 心臓の働きを助ける薬を使う
- モルヒネで呼吸を楽にする
- 不安を和らげる薬を使う
【鎮静剤や麻酔の使用について】
お母様が少しでも楽に過ごせるようにと、鎮静剤や麻酔を考えていらっしゃるのですね。これらの薬は苦痛を和らげるのに役立ちますが、意識が低くなるため、ご家族との会話が難しくなることもあります。また、呼吸が抑えられることもあるので、医師とよく相談して決めることが大切です。
【ご家族で話し合うこと】
お母様のこれからの治療について、ご家族で話し合ってみてください。
- お母様ご自身の希望
- 治療の目的(延命か、苦痛を和らげるか)
- それぞれの治療法の良い点と悪い点
- ご家族の皆さんの思い
【まとめ】
心不全の終末期には、息苦しさなどを和らげて、お母様が少しでも安らかに過ごせるようにすることが大切です。治療については、担当の医師とよく相談し、ご家族で話し合って、お母様にとって一番良い選択をしてください。お母様を支えるために、医療チームと一緒に考えていきましょう。どうかお母様が少しでも穏やかに過ごせますように。
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