肝機能異常と甲状腺機能低下症、原因は何でしょうか?
50代・女性のご相談
ご相談いただきありがとうございます。健康診断で肝機能の数値が高く、その後も改善が見られないことでご心配ですよね。お気持ち、よくわかります。
健康診断で肝機能の数値が高く、再検査でも変わらない状態が続いているとのことですね。肝炎や特定の抗体は陰性で、甲状腺機能低下症と診断され、ホルモン剤を始められたのですね。禁酒しても状況が変わらないことから、アルコールが原因ではないと考えられます。
甲状腺機能低下症の治療を始めても肝機能の数値が改善しない場合、他の原因も考える必要があります。
【肝機能異常の可能性のある原因】
1. 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/NASH)
肥満や糖尿病があると、肝臓に脂肪がたまり炎症を起こすことがあります。進行すると肝硬変や肝臓がんのリスクが高まります。甲状腺機能低下症もこの病気のリスクを高めることがあります。
2. 薬剤性肝障害
服用している薬やサプリメントが原因で肝機能に影響を与えることがあります。心当たりがあれば、医師に伝えてください。
3. 自己免疫性肝炎
免疫システムが肝臓を攻撃してしまう病気です。血液検査で特定の抗体が高くなることがあります。
4. ウイルス感染
肝炎ウイルス以外のウイルス感染でも肝機能に影響が出ることがあります。多くの場合、時間とともに改善しますが、長引くこともあります。
5. その他の肝疾患
他にも、肝臓に影響を与える病気がいくつかあります。
6. その他の原因
まれに心不全などが原因で肝機能に影響が出ることもあります。
【今後の対応】
1. 甲状腺機能低下症の治療継続
治療を続けながら、肝機能の数値がどう変わるか見ていくことが大切です。
2. 専門医の受診
治療後も改善が見られない場合は、消化器内科の専門医に相談し、詳しい検査を受けることをお勧めします。
3. 検査の実施
必要に応じて、血液検査や画像検査、肝生検などを行い、肝臓の状態を詳しく調べることがあります。
【まとめ】
肝機能の数値が高い原因はさまざまです。まずは、甲状腺ホルモンの治療を続けながら、血液検査の結果を確認しましょう。それでも改善が見られない場合は、さらに詳しい検査が必要です。何かご不安なことがあれば、いつでもご相談くださいね。あなたの健康を心から応援しています。
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