腟やその周りのかゆみがある
監修医師金沢 誠司産婦人科
- 更新日
- 2026/06/12
- 公開日
- 2021/01/18
概要
腟やその周りがかゆい場合、カンジダ外陰腟炎などの感染症、下着やナプキン・石けんなどによるかぶれ(接触皮膚炎)、乾燥やアトピー体質などが原因のことがあります。かゆみが続く、赤みや腫れ・ポロポロした白いおりもの・ヒリヒリ感を伴うときは、自己判断で市販薬を使う前に、婦人科で原因を確認してもらうことをおすすめします。
腟の周りがかゆいとは
腟の周りがかゆい(デリケートゾーンがかゆい)とはどのような症状ですか?
「デリケートゾーン」と呼ばれる、腟の周りの皮膚あるいは腟の内部にかゆみを感じる状態です。
腟の周りの皮膚や腟の内部にかゆみが生じることを総称して「腟の周りのかゆみ」「デリケートゾーンのかゆみ」などと言うことがあります。原因としては、感染症や下着などによる皮膚の刺激、全身の疾患の影響、精神的な要因などが考えられます。
腟の周りがかゆいの原因
デリケートゾーンのできものの原因として、何が考えられますか?
下着のこすれや圧迫によって刺激を受けることや、毛穴が多いことなどが原因となっている可能性があります。
ニキビに似た小さなできものである「毛嚢炎」や、毛嚢炎より大きなできものである「粉瘤」(ふんりゅう:皮膚の内側に袋状の構造物ができ、その袋の中に角質や皮脂が溜まってできた腫瘍のこと)といった病気の可能性があります。デリケートゾーンの周囲は毛穴が多く、特にこういったできものができやすい箇所と言えます。
腟の周りのかゆみを引き起こす日常生活上の原因としては、何が考えられますか?
身に着けている下着や生理用品によってかゆみが引き起こされることがあります。ストレスや睡眠不足も、かゆみを伴う感染症の原因となります。
腟の周りのかゆみが続く場合、日常生活の何らかの行為に伴い、腟の周りの皮膚が刺激を受けて、傷や違和感が生じている可能性があります。刺激をもたらす具体的な原因としては、以下のようなものが考えられます。
よくある原因としては以下のようなものが考えられます。
- 下着などの衣類、衛生用品・避妊具、ボディソープなど
肌に合わない化学繊維・化学物質などが炎症を引き起こすことがあります
- 汗など
自身の汗なども肌荒れの原因となり得ます。
- 過度な洗浄
洗いすぎにより皮膚のバリア機能が低下したり皮膚を傷めてしまうことがあります。
- 脱毛などの処置
処置に伴い物理的に皮膚を傷めてしまうことがあります。
更年期を過ぎてからの腟の周りのかゆみの原因となる病気には何がありますか?
萎縮性腟炎という病気が考えられます。
加齢に伴って女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が低下すると、腟の周囲にかゆみや不快感が生じることがあり、「萎縮性腟炎」と呼ばれます。更年期以降の方の場合、この萎縮性腟炎をかゆみの原因としてまず疑います。
ただし、汗や尿の付着や、全身の疾患に伴ってかゆみが生じている可能性もあるため、更年期以降に症状が出たからといって萎縮性腟炎が原因だと決めつけることはお勧めしません。心配であれば一度産婦人科を受診しましょう。
腟の周りにかゆみがあって、血が出ている時の原因となる病気には何がありますか?
血が出る原因はさまざまです。かゆみのある箇所を搔きむしったことで血が出ている可能性もあります。
かゆみに伴って出血がある場合、搔きむしってしまったために出血している可能性があります。特に掻きむしったこともなく、自然に出血している場合には、腟の周りのできものなどが潰れて出血している可能性もあります。
一度医療機関を受診して、出血している部位や出血の原因を確認するようにしてください。
腟の周りのかゆみ(デリケートゾーンのかゆみ)の原因にバルトリン腺嚢胞の可能性はありますか?
バルトリン腺嚢胞は主に痛みの原因となりますが、かゆみを感じることもあります。
「バルトリン腺嚢胞」とは、バルトリン腺(腟の入口付近で粘液を分泌する分泌腺)に液体が貯留して腫れる病気です。軽度であれば無症状のこともありますが、細菌などに感染して痛みなどの症状を引き起こすこともあります。比較的多く見られるのは痛みの症状ですが、かゆみを呈する方もしばしばいます。
腟の周りのかゆみの原因として、性病の可能性はありますか?
トリコモナス腟炎等の性感染症(性病)の症状として、腟の周りがかゆくなることがあります。
急にかゆくなった場合には、感染症が原因である可能性があり、トリコモナス腟炎ケジラミ症など性行為によって伝播するいわゆる性感染症(性病)の可能性があります。
繰り返す腟の周りのかゆみの原因として、どのような病気がありますか?
下着や生理用品による接触性皮膚炎(かぶれ)やカンジダ腟炎といった病気が考えられます。
繰り返しやすい感染症として、カンジダ腟炎などが挙げられます。
また、病気以外の原因によって繰り返しかゆみが生じることもあります。例えば夏場であれば、汗などが原因でしばしばかゆみが生じます。また、月経周期に伴ってかゆみが生じる場合には、生理用品による刺激がかゆみを引き起こしている可能性が考えられます。
デリケートゾーンのかゆみには、どのような病気が原因として考えられますか?
細菌等による感染症が原因となることがあります。また、更年期以降であれば萎縮性腟炎という病気が考えられます。
感染症や下着などによる皮膚の刺激、全身の疾患の影響、精神的な要因など、さまざまな原因が考えられます。
考えられる原因は、かゆみが急に起こったのか、もしくは慢性的に続いているのかなどによって異なります。
急にかゆくなった場合
カンジダ腟炎をはじめとする感染症が疑われます。
かゆみが慢性的に続いている場合
以下のような病気や原因が考えられます。
接触性皮膚炎
合わない下着や生理用品の使用、過度な洗浄、合わないボディーソープの使用などによって、皮膚が刺激を受けてかゆみを生じることがあります。
萎縮性腟炎
加齢に伴って女性ホルモンの分泌が低下することで、外陰部や腟に乾燥や萎縮が起こり、不快感を催すことがあります。不正出血やおりものの増量が見られることもあります。
その他の原因
精神的な要因、悪性腫瘍、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患、肝・腎疾患など全身の疾患に伴う皮膚症状など、さまざまな原因によって腟の周りにかゆみが生じることがあります。
受診の目安・何科を受診するべきか
受診の際、腟の周りのかゆみについて医師にどのように説明したらよいですか?
かゆみ出した時期やおりものの変化、新しいパートナーの有無などについて医師に伝えましょう。
受診時には、下記の点を中心に担当医に伝えるとよいでしょう。
- 急にかゆくなったのかどうか
- かゆくなり出したのはいつか
- おりものの変化はないか
- 発熱や腹痛など、かゆみ以外の症状はないか
- 新しいパートナーの有無について
- 日常生活で変化したことはないか
- 使用している薬について
- 治療中の病気がないか
どの診療科を受診したらよいですか?
産婦人科を受診してください。明らかに皮膚に異常がある時には、皮膚科を受診しましょう。
まずは産婦人科を受診するのが確実です。ただし、女性器付近の皮膚疾患が原因だと判明した場合には、皮膚科の受診を案内されることもあります。また、全身疾患に伴うかゆみの場合には、産婦人科以外の診療科の受診を推奨されることがあります。
受診の目安を教えてください。
急にかゆみが生じておりものにも変化が見られる場合や、かゆみが長引いている場合、日常生活に支障をきたしている場合などには、積極的な受診が必要です。
急にかゆみが生じた場合、感染症の可能性が高いです。特におりものの変化を伴う場合には、早めに医療機関で検査を受けるようにしましょう。
また、かゆみが長引いている場合や日常生活に影響がある場合にも受診を検討してください。日々の生活の質の改善や、全身の病気の早期発見に繋がることもあります。
腟の周りがかゆいの薬
腟の周りのかゆみ(デリケートゾーンのかゆみ)に効果のある薬はありますか?
原因に応じて薬は異なりますが、感染症の場合は抗菌薬による治療で症状が改善する可能性があります。また、かゆみ自体を抑える薬もあります。
感染症の場合には、感染症の原因に応じた治療(抗真菌薬の外用・内服など)を行います。
一方、日常生活に伴う皮膚のかぶれの場合には、ステロイド外用薬の塗付が有効なことが多いです。
また、加齢に伴ってかゆみや不快感が生じている場合には、ホルモン剤を使用することもあります。
腟の周りがかゆいの治療
外陰毛嚢炎の場合は自然と治りますか?
自然に治る場合もありますが、抗菌薬を使用することもあります。
少数の毛嚢炎であれば、衛生環境に気を遣うことで自然治癒が期待できます。多発する場合には、抗菌薬の外用や内服を行うとよいでしょう。
腟の周りがかゆいに関連するその他の質問
腟のかゆみに対して、日常生活の中でできる対策はありますか?
腟の周りを清潔に保ち、刺激の少ない下着や生理用品を選びましょう。
腟の周りを清潔に保つことは感染症の予防上重要です。ただし、過度な洗浄や皮膚に合わないボディーソープの使用は逆効果となるので注意しましょう。また、皮膚に合わない下着や衛生用品などの使用は控えることが望ましいです。
腟の周りがかゆいについて、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「腟やその周りのかゆみがある」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- おりもののにおいが気になりますか?
- 体温は37.5℃以上ですか?
- 酒かすやヨーグルトのようなおりものがありますか?
- 性交をしている際に痛みを感じますか?
腟の周りがかゆいに関連する病気・症状
このページを見ている人はこんな病気も見ています
このページを見ている人は他にどんな病気を見ていますか?
この記事の監修医師
金沢 誠司 先生
産婦人科・産科・婦人科
産婦人科専門医・医学博士。新潟大学医学部卒、東北大学大学院修了。 国立成育医療研究センター等の高度周産期施設で胎児診療や臨床研究に従事したのち、Ubie株式会社にて医療AI開発を通じた医療のDX化を推進。 現在は、臨床の最前線で胎児超音波や出生前診断を専門としつつ、これまでの臨床知見とAI開発経験を融合。女性がライフスタイルに合わせて健康をデザインする「マタニティ・ストラテジスト」として活動。全女性が根拠ある医療情報を手にし、戦略的に体調を管理するためのメディア [Platform Women's](https://platform-womens.jp/) を主宰している。
- 更新日
- 2026/06/12
- 公開日
- 2021/01/18