白癬・爪白癬(水虫)
監修医師阿部 吉倫内科
- 更新日
- 2026/01/16
- 公開日
- 2020/09/03
爪白癬とは
いわゆる’水虫’、’たむし’です。カビの感染により起こります。
「爪白癬」とはどのような病気ですか?
爪の変形、変色があらわれる感染症です。進行すると爪が厚くなり、変形が進んで痛みを生じます。
真菌(カビ)が皮膚から爪の中に侵入して、爪の中で増殖した結果、爪が厚く濁ってみえるように変化します。濁った部分から爪を採取して検査すると真菌が見つかります。最初は爪の一部分のみ濁っている状態ですが、治療しないと徐々に悪化し、爪全体が厚く濁った状態になります。爪が厚くなる以外に、爪が浮いてくるといった変形を伴う場合もあります。爪が変形して周囲の皮膚に爪が食い込むようになり、痛みを伴うこともあります。
爪白癬の症状
爪白癬の末期ではどのような症状が起こりますか?
爪の色が黄色や黒に変化します。爪が厚くなり、ポロポロとはがれます。痛みが出るので歩きにくくなります。
爪白癬の末期では、全異栄養性爪真菌(カビ)症という状態になります。
全異栄養性爪真菌症になると、爪全体が真菌に浸食されてしまい、脆弱化や肥厚、鉤弯などの変形を伴ってしまいます。
爪の色が黄色や黒に変化したり、爪が厚くなったり、ポロポロとはがれたりします。
爪が変形して皮膚に爪が食い込み、痛みを感じることもあり、歩きにくくなります。
このような状態になるのを防ぐため、爪白癬の症状のある方は、早めに皮膚科を受診するようにしましょう。
爪白癬には初期症状はありますか?
爪が白や黄色く濁ったり、黒っぽくなります。爪が厚くなるとボロボロになって、縦じわが入り欠けてしまいます。
爪白癬の初期には、爪が白くなったり、黄色く濁ったり、黒っぽくなったりします。進行し爪が厚くなるとボロボロになって、縦じわが入り欠けてしまいます。
爪白癬は変色の範囲や変形の仕方に応じて4つに分けられ、多くの場合は遠位側縁爪甲下爪真菌症のタイプです。
この遠位側縁爪甲下爪真菌症のタイプの場合は、足の皮膚に真菌(カビ)がいる状態である、足の水虫から真菌が爪の中に侵入することでおこります。
それによって、爪の先の方から変色が起こり、次第に厚くなるなどの変形も伴っていきます。
爪白癬ではどのような症状がありますか?
爪の変形、変色が起こります。痛みやかゆみは起こりませんが、爪が割れて皮膚に食い込んだ場合、痛みを生じます。
爪白癬は変色の範囲や変形の仕方に応じて以下の4つに分けられます。
遠位側縁爪甲下爪真菌症
足の水虫から爪の中に侵入して変色や変形するもので、最も多い症状です。
表在性白色爪真菌症
爪表面のみが白く変色するものです。
近位爪甲下爪真菌症
爪の根元から変色するものです。
全異栄養性爪真菌症
爪全体が真菌(カビ)に浸食され、脆弱化や肥厚、鉤弯などの変形を伴うものです。
上記のような症状があらわれたら、皮膚科を受診しましょう。
爪白癬の原因
爪白癬の原因は何がありますか?
爪の先に垢がたまり水虫の原因菌が繁殖し起こります。蒸れやすい環境、ネイルと自爪との間で繁殖します。
皮膚から侵入するため、足の皮膚に真菌(カビ)がいる状態である足の水虫を発症している方では、爪白癬になりやすくなります。
また、蒸れやすい環境では真菌が増殖しやすくなるため、長靴を長時間履いたり、ネイルなどで爪が覆われていると発症しやすくなります。
そのため、清潔を保ち乾燥している状態にすることが大切です。
症状が進行すると、爪の先の方から変色が起こり、次第に厚くなるなどの変形も伴っていきます。
足の水虫を発症している方や、爪の変化が気になる方は、皮膚科を受診しましょう。
爪白癬の検査・診断
爪白癬のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
以下のうち、ひとつでも当てはまれば、爪白癬の可能性があります。
- 爪が濁っている
- 爪が変形している
- 爪がボロボロになっている
上記のような爪の変化が気になる方は、皮膚科を受診するようにしましょう。皮膚科では、患部を採取し顕微鏡で白癬菌がいるか確認して診断します。
また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、無料で爪白癬かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。
爪白癬の治療・対処法
白癬・爪白癬(水虫)への対処法は?
医療機関の受診で真菌(カビ)の存在が確定したら、塗り薬や飲み薬の治療をします。毎日患部を清潔に洗い、よく拭いてむれないようにしましょう。5本指ソックスもおすすめです。
爪白癬では最近ではどのような治療が行われますか?
2018年から、ネイリンⓇという飲み薬での治療が可能となりました。
爪白癬の最近の治療として、ネイリンⓇという飲み薬での治療が可能になりました。
服用方法
1日1回内服すると、3ヶ月間で治療ができます。治療後も1年近く薬の効果が持続します。
副作用
肝機能異常があらわれる可能性があるため、定期的な血液検査が必要です。肝機能異常は内服を中止すれば通常は改善します。
爪白癬では、爪に直接塗る塗り薬で治療されることもあります。これらの治療は、患者さんの状態によって使い分けられることが多いため、皮膚科の専門家に相談するようにしましょう。
爪白癬は爪をはがしたら治りますか?
無理に爪をはがしても治りません。
爪白癬は、周囲の皮膚から真菌(カビ)が爪の中に侵入しているため、皮膚と爪の間に真菌が増殖しています。
そのため、一度爪をはがしても、真菌は残っているので再度、爪白癬の状態の爪が生えてきます。
ただし、爪の表面をヤスリなどで削ることは爪白癬の外用薬の浸透性を高めるので推奨されます。
爪白癬のある方は、自己判断で無理に爪を切ったり、はがしたりせずに、爪の正しいケアについて皮膚科の専門家に相談するようにしましょう。
爪白癬は切ると治りますか?
治りません。濁っている爪を削り、切った上で外用薬を使用します。
爪白癬は周囲の皮膚から真菌(カビ)が爪の中に侵入しているため、皮膚と爪の間に真菌が増殖しています。
そのため、爪を切っても、真菌は残っているので再度爪白癬の状態の爪が生えてきます。
ただし、爪の表面をヤスリなどで削ることは爪白癬の外用薬の浸透性を高めるので推奨されます。
爪白癬のある方は、自己判断で無理に爪を切ったり、はがしたりせずに、爪の正しいケアについて皮膚科の専門家に相談するようにしましょう。
爪白癬の場合、主にどのような治療をしますか?
抗真菌薬の内服治療や、爪に塗る塗り薬で治療します。
爪白癬では、真菌(カビ)に効果のある抗真菌薬の内服治療や、爪に直接塗る塗り薬で治療していきます。これらの治療は、患者さんの状態によって使い分けられることが多いです。
内服薬
治療効果や治療期間の観点では内服薬が推奨されますが、他の薬剤との併用注意や肝機能の悪化の恐れがあります。
塗り薬
かぶれ以外にはあまり副作用がなく、安全な治療ですが、内服薬ほどの効果は期待できません。
受診の目安・何科を受診するべきか
爪白癬が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、病院を受診する目安はありますか?
爪の一部に変色や変形がある場合は、皮膚科を受診してください。
爪白癬の診断には検査も必要なため、皮膚科を受診いただくことを推奨します。
皮膚科では、患部を採取し顕微鏡で白癬菌がいるか確認して診断します。
爪の一部に変色や変形がある場合は、爪白癬かの判断も含めて一度受診いただくことが良いと考えます。
爪白癬の治療としては、真菌(カビ)に効果のある抗真菌薬の内服治療や、爪に直接塗る塗り薬があります。これらの治療は、患者さんの状態によって使い分けられることが多いです。
白癬・爪白癬(水虫)の専門医がいる近くの病院はありますか?
白癬・爪白癬(水虫)の専門医がいる病院を見る爪白癬の薬
爪白癬にどのような薬が使用されますか?
爪白癬では内服薬が第一選択です。外用抗真菌薬を使用し真菌(カビ)の増殖を抑えます。
爪白癬の治療薬としては内服薬と外用薬があります。
内服薬
以下のような3種類があります。
- テルビナフィン塩酸塩
- イトラコナゾール(ラミシール錠Ⓡ)
- ホスラブコナゾール(ネイリンカプセルⓇ)
内服薬は最低3ヶ月の治療期間であり、完全に治る割合が40~60%ですので、内服薬が第一選択とされています。
外用薬
以下のような2種類があります。
- エフィナコナゾール(クレナフィンⓇ)
- ルリコナゾール(ルコナックⓇ)
外用薬では治療期間が1年以上かかり、完全に治る割合が20%弱です。
対処法・セルフケア
爪白癬に市販薬は効果がありますか?
ありません。白癬に効く市販薬はありますが、爪白癬を治療する成分の入った市販薬はありません。
抗真菌薬としては医療用と同成分の市販薬もあり、皮膚の水虫(足白癬など)には一定の効果があるものは存在しますが、爪白癬用の抗真菌薬の代替品は市販薬にはありません。
また、市販薬には抗真菌成分以外にも麻酔薬や鎮痒薬が含まれており、時にかぶれたりすることがあるため注意が必要です。
爪白癬の医療用の薬として、真菌(カビ)に効果のある抗真菌薬の内服治療や、爪に直接塗る塗り薬があります。これらの治療は、患者さんの状態によって使い分けられます。爪の変化が気になる方は、皮膚科を受診し、医師に相談しましょう。
爪白癬に関連するその他の質問
爪白癬で厚くなってしまった爪はどのようにして削れば良いですか?
皮膚科では、フットケアドリルや爪用のニッパーで削ります。
爪白癬が厚くなってしまった場合、自宅や皮膚科では、以下のような処置が行われます。
自宅での処置
ヤスリで削る方が多いです。
皮膚科での処置
フットケアドリルを用いたり、厚みがある時には、爪用のニッパーで削ることが多いです。
爪を削るのも「爪甲除去」という医学的な処置となり保険診療になります。
ご自身での処置が難しい場合には、皮膚科の専門家に相談するようにしましょう。
足の爪が白い場合は爪白癬の可能性はありますか?
多くは爪白癬が考えられます。爪が剥がれかけているときや、栄養不足でも爪は白くなります。
爪が白い場合、爪白癬の可能性が考えられます。
爪白癬の他に、乾癬や栄養障害、肝臓や腎臓の病気などのために爪が白くなることもあります。
まれに、生まれつき爪が白い方もいます。
爪の色や変形など、以下のような爪の変化に気付かれた場合には、爪白癬の可能性がありますので、皮膚科を受診するようにしましょう。
- 爪が濁っている
- 爪が変形している
- 爪がボロボロになっている
爪白癬について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「白癬・爪白癬(水虫)」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 皮ふに何らかの異常がありますか?
- 肌がふやけていますか?
- 爪が白く濁り、分厚くなっていますか?
- 肌に牡蠣の殻のようにガサガサしている部分がありますか?
- 皮ふにただれている場所や、めくれている場所がありますか?
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この記事の監修医師
阿部 吉倫
内科
2015年東京大学医学部医学科卒。東京大学医学部付属病院、東京都健康長寿医療センターで初期研修を修了。血便を放置し48歳で亡くなった患者との出会いをきっかけにデータサイエンスの世界へ。2017年5月にUbie株式会社を共同創業。2019年12月より日本救急医学会救急AI研究活性化特別委員会委員。2020年 Forbes 30 Under 30 Asia Healthcare & Science部門選出。
- 更新日
- 2026/01/16
- 公開日
- 2020/09/03