肉離れの場合、主にどのような治療をしますか?

肉離れが生じた直後は「RICE処置」と呼ばれる冷却や圧迫などの応急処置を行います。その後、重症度に応じたリハビリを行います。

解説

肉離れの治療法は、主に急性期(肉離れ直後〜3日)、亜急性期(3日〜1週頃)、回復期(1週以降〜)で異なります。

急性期(肉離れ直後〜3日)

肉離れ直後の応急処置として「RICE(ライス)処置」があります。これは「Rest(安静)」「Icing(冷却)」「Compression(圧迫)」「Elevation(挙上)」の4つの頭文字をとって名付けられています。早めに応急処置をすることで、腫れや痛みを抑える効果が期待できます。
RICE処置の具体的な内容は以下の通りです。

①Rest(安静)

まずは安静を保ちます。痛みがある場合、無理に動かさないことが大切です。

②Icing(冷却)

ビニール袋に氷を入れて患部に当て、15〜20分ほど冷やします。なるべく患部には直接氷を当てず、アンダーラップ(皮膚を保護するためにテーピングの下に巻く特殊なテープ)を巻いたりタオルを間に入れたりするようにしましょう。感覚が鈍くなってきたら氷を外し、感覚が戻ってきたら再び氷を当てます。これを何度か繰り返してください。

③Compression(圧迫)

患部に包帯やテープを巻いて圧迫し、腫れや内出血を最小限に抑えます。きつく巻きすぎると逆に血流障害が生じるため、足の色が悪くならない程度の圧迫がよいでしょう。

④Elevation(挙上)

痛む部位を心臓より高い位置に挙げておくことで、腫れの軽減を図ります。

以上のRICE処置に加え、痛み止めの内服なども有効です。また、歩行が困難な場合には松葉杖を使用する場合もあります。

亜急性期(3日〜1週頃)

筋肉の炎症症状が落ち着いてくるまで、電気を当てるリハビリなどを行います。

回復期(1週以降〜)

痛みが落ち着いてきたら、徐々にストレッチや筋力トレーニングなどのリハビリを開始します。肉離れを起こした筋肉だけでなく周囲の関節の柔軟性や、さらには体幹の安定性を高めることも重要となります。

スポーツへの復帰の適切なタイミングは、重症度により変わってきます。軽症の場合には2~3週で復帰が可能ですが、重症の場合には完全な復帰まで数ヶ月を要します。
また、筋肉だけでなく腱が大きく断裂している場合には、ごく稀に手術が行われることもあります。

公開日

最終更新日

まつだ整形外科クリニック 整形外科

栗原 信吾 監修

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(参考文献)

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