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靭帯損傷は治るのにどのくらいの期間がかかりますか?
まつだ整形外科クリニック 整形外科
栗原 信吾 監修
軽度であれば2~4週程度で回復します。重度の場合には完治まで3~6ヶ月程度を要します。
靭帯損傷の治癒にかかる期間は、靭帯損傷の部位や程度、個人の体質によって変わります。
以下に、靭帯損傷の程度と、回復までの期間の目安を記載します。
軽度の損傷(Ⅰ度、靱帯の断裂なし)
靱帯が伸びるだけで断裂しておらず、わずかな腫れと痛みを伴います。
部位にもよりますが、およそ2~4週で回復します。
中度の損傷(Ⅱ度、靱帯の部分断裂)
靱帯の部分的な断裂があり、明らかな腫れ、痛み、動きの制限を伴います。
関節が少し不安定(ぐらつく)になります。
部位にもよりますが、およそ4~8週で回復します。
重度の損傷(Ⅲ度、靱帯の完全断裂)
靱帯の完全な断裂があり、強い腫れ、痛み、動きの制限を伴います。
関節がかなり不安定(ぐらつく)になります。
手術が推奨されることも多いです。完全な回復まで3~6ヶ月程度を要します。
手首の靭帯損傷、本当にギブスで大丈夫ですか?
手首を強くついてしまい、時間が経つにつれて痛みが増しています。整形外科でギブスをつけてもらいましたが、本当に靭帯損傷なのか心配です。ギブスを外して湿布にした方が良いのか教えてください。
50代 / 女性
ご相談いただきありがとうございます。 手首を強く着いた後に痛みが増しているとのこと、心配ですね。
靭帯損傷について
靭帯損傷の可能性についてお話しします。 靭帯損傷は、関節を支える靭帯が過度に引っ張られたり、切れたりすることで起こります。手首の靭帯損傷の場合、痛みや腫れ、動かすときの不快感が一般的な症状です。整形外科でギブスで固定されたのは、手首を安静に保ち、靭帯が自然に治癒するのを助けるためです。
ギブスを外していいのかどうか
ギブスを外して湿布にするかどうかについてですが、これは医師の指示に従うことが最も重要です。ギブスは手首を動かさないように固定するため、靭帯がしっかりと治るのを助けます。湿布は痛みや腫れを軽減するのに役立ちますが、固定の効果はありません。ギブスを外すと、手首が動いてしまい、治癒が遅れる可能性があります。
以下の点に注意してください。
痛みが増す場合
痛みが強くなる場合は、靭帯損傷が悪化している可能性があります。
腫れが引かない場合
腫れが続く場合は、他の損傷(骨折など)があるかもしれません。
手首の動きが制限される場合
動かすときに強い痛みや制限がある場合は、再度医師に相談することが重要です。 これらの症状が続く場合は、再度整形外科を受診し、詳細な診断を受けることをお勧めします。特に、痛みが強くなったり、腫れが引かない場合は、他の損傷(骨折や腱の損傷など)がある可能性も考えられます。
まとめ
ギブスを外して湿布にするかどうかは、医師の指示に従うことが重要です。痛みや腫れが続く場合は、再度整形外科を受診し、詳細な診断を受けることをお勧めします。 お近くの整形外科は、こちらから検索できますのでご活用ください。
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(参考文献)
日本整形外科学会.“膝関節捻挫”.日本整形外科学会.https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/sprainofknee.html,(参照 2024-04-18).
神野哲也. 整形外科リハビリテーション カラー写真でわかるリハの根拠と手技のコツ. 羊土社. 2012
井樋 栄二ほか. 標準整形外科学 第14版. 医学書院. 2020
Lucas Bianco et al. Conservative Approach to Treating American Football Players With Medial Collateral Ligament Grade 2 Sprain During the Season. J Sport Rehabil. 2023, 32, p.920-925.
Dennis E Kramer et al. Collateral Ligament Knee Injuries in Pediatric and Adolescent Athletes. J Pediatr Orthop. 2020, 40, p.71-77.
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