胸郭出口症候群の原因は何がありますか？

胸郭出口症候群は、首から腕へ向かう神経（腕神経叢）や血管（鎖骨下動脈・静脈など）が圧迫されることで起こる病気です。神経と血管は、片方だけの場合もあれば、両方とも圧迫される場合もあります。
これらの神経や血管が通り道で圧迫を受けやすくなる原因があります。
神経や血管は、首～脇の下～腕へと向かう際にさまざまな構造物の間を通り抜ける必要があります。この際に、特に神経や血管が圧迫されやすい場所が3か所あります。

神経や血管が圧迫されやすい場所

• 斜角筋という首の筋肉の間を通るとき
• 鎖骨と肋骨の間を通るとき
• 烏口突起（肩甲骨の骨の一部）のそばを通るとき

これらの部位で以下のような構造上の異常があると、神経や血管圧迫を受けやすくなり、この病気の原因となります。

構造上の異常

• 斜角筋の異常：大きすぎる筋肉、余分な筋肉や靱帯があるなど
• 頚肋：頚椎（首の骨）と肋骨がつながってしまっている異常により、鎖骨と肋骨の間がより狭くなる
• 頚椎の異常：横方向に大きい場合、骨の腫瘍（腫れ物やしこり）がある場合など
• 鎖骨や肋骨、肩甲骨の骨折による変形

これら構造の異常に加えて、首にかかるストレスが引き金となり症状が始まると考えられています。