「胸郭出口症候群」とはどのような病気ですか？

胸郭出口症候群は、首から腕へ向かう神経（腕神経叢）や血管（鎖骨下動脈・静脈など）が圧迫されることで起こる病気です。神経と血管は、片方だけの場合もあれば両方とも圧迫される場合もあります。
神経や血管の圧迫のされ方によって症状の生じ方が異なります。一般的には、首や肩の痛み、腕に力が入りにくい、指にしびれを感じるといった症状がみられ、腕を肩より上で持ち上げた作業をしているときに悪化して感じられることが多いです。より症状が悪化すると、寝ているときに症状を強く感じる方もいます。
これらの神経や血管は、首～脇の下～腕へと向かう際にさまざまな構造物の間を通り抜ける必要があり、首の筋肉や鎖骨、肋骨、肩の筋肉などの間を通り抜ける際に圧迫をうけやすい場所があることが、この病気の原因です。
通常は姿勢に気をつけながら生活し、薬やリハビリによる治療を受けることで症状が改善します。症状の改善が思わしくない場合には手術が必要となる場合もありますが、必要となる頻度は高くありません。