胸郭出口症候群の場合、主にどのような治療をしますか?
仕事などでの作業内容の調整、筋力強化や姿勢改善、首周りのストレッチなどのリハビリや薬による治療を主に行います。
胸郭出口症候群では、首から腕へ向かう神経(腕神経叢)や血管(鎖骨下動脈・静脈など)が圧迫されます。ほとんどの場合で、神経が圧迫されることによる症状(腕全体の脱力感、しびれや痛み)によって苦痛を生じる病気です。
この場合、まずは以下のような生活習慣の改善やストレッチ、薬による治療を行います。
生活の改善
長時間腕を使う作業をなるべく避けるようにします。特に長時間のドライヤーや洗濯物干しなど、腕を肩より上にあげる作業に注意しましょう。
胸まわりの筋肉を鍛える
鎖骨や肩甲骨を持ち上げるための筋肉(僧帽筋や肩甲挙筋)の筋力強化が重要です。
首まわりの筋肉をリラックスさせる
筋肉の過剰な緊張が神経を圧迫させることがあるため、首まわりの筋肉のストレッチなどで筋肉をリラックスさせます。
薬の服用
炎症をおさえる薬(痛み止め)、筋肉の緊張を和らげる薬(筋弛緩薬)などがあります。
上記のような治療を半年ほど続けても症状の改善が得られない場合や、腕や手の筋力低下が進んでしまう場合には手術が行われる場合があります。ただし、手術には神経や血管を逆に傷つけてしまうなどのリスクがあることに注意が必要です。
公開日:
最終更新日:
山田記念病院 整形外科 整形外科部長
濱畑 智弘 監修
(参考文献)
Jason H Huang.“Thoracic outlet syndrome”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15458598/,(参照 2024-02-26).
Kuhn, John E.“Thoracic Outlet Syndrome”.Journal of the American Academy of Orthopaedic Surgeons.https://journals.lww.com/jaaos/fulltext/2015/04000/thoracicoutletsyndrome.4.aspx,(参照 2024-02-26).
日本整形外科学会.“「頚肋(けいろく)」”.日本整形外科学会.https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/cervical_rib.html,(参照 2024-02-26).
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