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甲状腺機能亢進症を放置するとどうなりますか?
医療法人泰水会濵﨑クリニック 糖尿病・内分泌科
濵﨑 秀崇 監修
回答
心不全や骨粗しょう症になる危険性が増します。出産時のリスクも高まります。
解説
甲状腺機能亢進症の症状の一つに不整脈があり、放置してしまうと心不全に発展してしまうおそれがあります。
特に、不整脈の一種である心房細動は、甲状腺機能亢進症の合併症として最も多く見られる心臓の病気で、脳梗塞や心不全を引き起こす可能性があります。
また、甲状腺ホルモンの働きによって、古い骨がどんどん壊されてカルシウムが尿とともに排泄されてしまったり、カルシウムの吸収効率が悪くなったりする場合があります。
これによって、骨粗しょう症(骨がもろくなり、骨折しやすくなった状態)が進行してしまうことがあります。
また、妊娠中に甲状腺機能亢進症を発症したまま放置してしまうと、妊娠高血圧症候群や流産・早産・死産のリスクが高くなります。
関連する病気と症状
(参考文献)
中島康代,山田正信. 内分泌疾患・糖尿病・代謝疾患ー診療のエッセンス 甲状腺中毒症. 日本医師会雑誌. 2021, 150, p.96-99.
ほかの甲状腺機能亢進症の質問
薬が効かない場合はどうしたらいいですか?
放射線治療や手術など他の治療法を検討します。担当医師と相談しましょう。
薬はいつまで飲むのでしょうか? ずっと飲み続けなくてはいけないのでしょうか?
バセドウ病が原因となっている場合は約2年間飲み続けます。薬を一旦やめた後も再発する可能性があるため要注意です。
一般的にどのような薬を飲んで治療しますか? 副作用はありますか?
脈をゆっくりにする薬や甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬が一般的に使用されます。それぞれに副作用があります。
治療中に、日常生活で気をつけることは何でしょうか?
規則正しい生活を心がけ、疲れやストレスがたまらないようにしましょう。禁煙も大切です。
治療を開始してから治るまでの流れが知りたいです。
まずは薬物治療を行っていきます。薬でうまく改善しない場合や副作用が見られる場合には、放射線治療や手術の実施も考えます。
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