慢性胃炎でピロリ菌がいないことはありますか?
あります。慢性胃炎による萎縮が進行し、ピロリ菌が住めなくなった場合などが考えられます。
内視鏡検査で慢性胃炎が確認されたにもかかわらず、ピロリ菌が検出されないことはあります。
原因としては、以下の3つが主に考えられます。
①慢性胃炎による萎縮が進行し、ピロリ菌が住めなくなった場合
慢性胃炎による胃粘膜の萎縮が進行すると、ピロリ菌自体が住めなくなってしまうことが知られています。これにより自然にピロリ菌が除菌されることがあり、自然除菌といいます。
②他の病気の治療時に偶然除菌された場合
ピロリ菌の治療は抗菌薬で行いますが、他の感染症の治療時に使用した抗菌薬によって、偶然ピロリ菌も一緒に除菌されることがあります。
③慢性胃炎の原因がピロリ菌の関係しない自己免疫性であった場合
頻度は少ないですが、免疫の異常により自分の胃粘膜を攻撃してしまうことで起こる慢性胃炎があります。これを自己免疫性胃炎といいます。
ピロリ菌の関係する自己免疫性胃炎もありますが、そうでない場合はピロリ菌のいない慢性胃炎となります。
公開日:
最終更新日:
横浜医療センター 消化器科
川崎 千瑛 監修
(参考文献)
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