くさび状欠損の原因は何がありますか?
歯みがきの力の強さや、噛み合わせなど、いくつかの要因が関わると考えられています。
くさび状欠損の原因について、国内の調査でわかっていることと、はっきりしていないことを分けて説明します。
くさび状欠損の原因と考えられている3つの要因
くさび状欠損を含む歯の根元の欠損は、ひとつの原因で起こるのではなく、いくつかの要因が絡み合って起こるものと考えられています。
主な要因として、歯みがきによるすり減り(摩耗)、酸による歯の溶解(酸蝕)、噛み合わせの力(アブフラクション)の3つが挙げられています(口腔衛生学会雑誌に掲載された研究)。酸蝕には、飲食物などに由来するものと、嘔吐や胃の内容物の逆流に由来するものがあるとされていますが、下で紹介する調査では調べられていません。
歯みがきの力の強さとの関連
受診した男性自衛官130人を調べた国内の研究では、検査者が示した200g・300g・400gくらいの力の中から、普段の歯みがきに近いものを本人に選んでもらいました。強い(400gくらい)と答えた人では28人中24人(85.7%)に歯の根元の欠損がみられ、普通と答えた人の95人中51人(53.7%)、弱いと答えた人の7人中3人(42.9%)より割合が高くなっていました(口腔衛生学会雑誌に掲載された研究)。ここでの割合は、くさび状欠損を含む歯の根元の欠損全体についてのものです。
一方で、横みがきかどうかといったみがき方による差はみられず、歯ブラシの毛のかたさは、ほかの要因をあわせて分析すると関連がみられなくなりました。
噛み合わせの力が関わるとする説(アブフラクション)
アブフラクションとは、歯に強い力が長い期間加わることで、歯の根元に目視ではわからない程度の細かな亀裂が入り、気がついた時には歯の質が失われているという考え方です(口腔衛生学会雑誌に掲載された研究)。同じ研究では、噛みしめたときに上下の歯が触れ合う面積が広い人で、歯の根元の欠損がある人の割合が高い傾向があり、噛み合わせの関与を支持する結果とされています。
噛む力の強さは、単独では関連がみられたものの、ほかの要因をあわせて分析すると関連はみられなくなりました。歯ぎしりについては、質問への回答からは関連はみられませんでしたが、本人が気づいていないこともあり、正確に把握できなかった可能性があるとされています。
心当たりのある習慣は、医療機関へのご相談の際に一緒に整理することをご検討ください。
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(参考文献)
高野知承ほか. 非う蝕性歯頸部欠損と歯磨き習慣, 咬合力, 咬合接触面積および平均圧力との関係. 口腔衛生学会雑誌. 2007, 57, 613-621.
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無所属 歯科衛生士
佐藤 綾希子 監修
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