くさび状欠損の場合、日常生活で気をつけることはありますか?
調査では歯みがきの力の強さとの関連が報告されており、力の入れすぎは見直しやすい点です。
くさび状欠損に関わると考えられている要因をもとに、日常生活で見直せる点を説明します。
歯みがきの力とくさび状欠損
受診した男性自衛官130人を調べた国内の研究では、歯みがきの力が強い(400gくらい)と答えた人の85.7%に歯の根元の欠損がみられ、普通と答えた人(53.7%)や弱いと答えた人(42.9%)より割合が高くなっていました(口腔衛生学会雑誌に掲載された研究)。ここでの割合は、くさび状欠損を含む歯の根元の欠損全体についてのものです。力の強さは、検査者が示した200g・300g・400gくらいの力の中から、普段に近いものを本人が選んだものです。この結果は関連を示したもので、力を弱めれば欠損を防げると確かめられたわけではありませんが、歯みがきの力は日常生活で見直しやすい点のひとつです。
知覚過敏の予防として挙げられている歯みがきの工夫
山形県口腔保健支援センターの資料では、象牙質が露出する原因として、強い力での歯みがき、歯ブラシを大きく動かすこと、かたい歯ブラシの使用などが挙げられています。知覚過敏の予防や対処としては、力を入れすぎず、歯ブラシを大きく動かさないようにすることや、歯ぐきが下がって象牙質が露出している場合に、歯の根元付近の歯垢(プラーク)を丁寧に取り除くことがすすめられています。
噛み合わせ・歯ぎしりとくさび状欠損
先の研究では、噛みしめたときに上下の歯が触れ合う面積が広い人で、歯の根元の欠損がある人の割合が高い傾向があり、噛み合わせの関与を支持する結果とされています(口腔衛生学会雑誌に掲載された研究)。一方で、噛む力の強さと歯ブラシの毛のかたさは、単独では関連がみられたものの、ほかの要因をあわせて分析すると関連はみられなくなりました。
歯ぎしりの有無や、横みがきかどうかといったみがき方による差はみられませんでした。歯ぎしりは本人が気づいていないこともあり、質問だけでは正確に把握できなかった可能性があるとされています。
どの習慣が影響しているかは人によって異なるため、医療機関で歯みがきの方法を確認することをご検討ください。
くさび状欠損について、特に知りたいことは何ですか?
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(参考文献)
高野知承ほか. 非う蝕性歯頸部欠損と歯磨き習慣, 咬合力, 咬合接触面積および平均圧力との関係. 口腔衛生学会雑誌. 2007, 57, 613-621.
山形県口腔保健支援センター「「知覚過敏」って何?」(青年期・壮年期シリーズvol.18)https://www.pref.yamagata.jp/documents/17944/hys.pdf.(参照 2026-10-22).
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無所属 歯科衛生士
佐藤 綾希子 監修
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