「くさび状欠損」とはどのような病気ですか?
歯と歯ぐきの境目がくさび形にへこむ、むし歯ではない歯の欠損です。
ここでは、くさび状欠損がどのような状態で、どのくらい見られるのかを、国内の調査結果とあわせて説明します。
くさび状欠損は歯の根元がへこむ状態
くさび状欠損は、歯と歯ぐきの境目付近(歯頸部)で歯の質が失われ、へこみができた状態です。むし歯によらない歯頸部の欠損は、研究では非う蝕性歯頸部欠損と呼ばれ、くさび状欠損はその形によるよび名のひとつとして使われてきました(口腔衛生学会雑誌に掲載された研究)。主な要因として、歯みがきによるすり減り(摩耗)、酸による歯の溶解(酸蝕)、かみ合わせの力(アブフラクション)が挙げられており、いくつかの要因が絡み合って起こるものと考えられています。
くさび状欠損の形と、見られる部位
受診した男性自衛官130人を調べた国内の研究では、欠損が見られた298本のうち260本がくさび・V字型、38本がお皿やお椀のような丸みのある形でした(口腔衛生学会雑誌に掲載された研究)。以下の数値は、この丸みのある形も含めた歯の根元の欠損全体についてのものです。欠損はすべて歯の外側(唇や頬に面した側)に見られました。歯の種類では小臼歯(前から4・5番目の歯)に最も多く、前歯では少なかったと報告されています。上あごのほうが下あごより多く、左右の差は見られませんでしたが、地域住民919人を調べた別の調査では、上下・左右の差はなかったと紹介されています。
歯の根元の欠損がある人の割合と年齢
同じ研究では、1本以上の欠損があった人は130人中78人(60.0%)で、調べた3,708本の歯のうち298本(8.0%)に欠損が見られました。年代別にみると、欠損がある人の割合は20代で37.0%、30代で62.5%、40代で60.0%、50代以上で88.2%で、年齢層が高くなるにつれて増える傾向が見られました(口腔衛生学会雑誌に掲載された研究)。ただし、この研究は特定の職場の医務室歯科を受診した20〜54歳の男性を対象としており、研究者自身も、結果をそのまま一般に当てはめるのは難しいとしています。
気になる変化があるときは、医療機関へのご相談をご検討ください。
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(参考文献)
高野知承ほか. 非う蝕性歯頸部欠損と歯磨き習慣, 咬合力, 咬合接触面積および平均圧力との関係. 口腔衛生学会雑誌. 2007, 57, 613-621.
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無所属 歯科衛生士
佐藤 綾希子 監修
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