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子宮内膜症でどのような治療を選択するかの目安はありますか?
成育医療研究センター 産婦人科 共同研究員
藤井 達也 監修
子宮内膜症の治療は長期にわたるため、年齢、妊娠希望、症状(病状)などに合わせて薬物療法や手術を組み合わせていく必要があります。
解説
子宮内膜症は現在のライフステージや症状、診察所見などを踏まえて、経過観察、薬物療法、手術療法を組み合わせながら治療を行います。
一般的な治療の目安としては下記の通りとなりますが、病状などによっても異なりますので詳細については主治医と相談してください。
若年期
鎮痛剤や、いわゆる低用量ピルと呼ばれる女性ホルモン含有製剤を用いて疼痛管理を行います。
妊娠・出産・授乳期
挙児希望がある場合には、女性ホルモン含有製剤は休薬し、疼痛時には鎮痛剤などで対応することが一般的です。必要に応じて不妊症治療などを行います。妊娠前に手術を行うこともありますが、卵巣を傷つけることにもなるため慎重な判断が必要です。
40代以降
子宮内膜症は年齢とともに、卵巣がんなどに癌化するリスクが指摘されています。40代以降で、妊娠・出産のご希望が無い場合、がん化予防や症状の緩和を期待して手術を選択することもあります。いわゆる低用量ピルは血栓症などのリスクがあることから、他のホルモン製剤へと切り替えながら閉経まで継続することもあります。
関連する病気と症状
(参考文献)
ほかの子宮内膜症の質問
「子宮内膜症」とはどのような病気ですか?
子宮内膜、あるいはそれに似た組織が何らかの原因で本来発生する場所である子宮以外の場所で発生する病気です。
子宮内膜症は自然に治りますか?
子宮内膜症は閉経期には症状が緩和されることが多いと言われています。
子宮内膜症が原因で気胸が起こることはありますか?
「月経随伴性気胸」と呼ばれる病態であり、稀に肺に子宮内膜症性病変が生じることで肺に穴があく「気胸」を発症することがあります。
子宮内膜症が起こりやすいのは何歳くらいですか?
20~30代の女性に発症することが多く、30~34歳が発症のピークとされています。
子宮内膜症の原因や症状には何がありますか?
子宮内膜症の原因はまだ明確には分かっていませんが、月経血の骨盤内への逆流などが子宮内膜症の発症として考えられています。典型的な症状は月経時の強い痛みです。
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